2009年 アメリカ
原題 The City of Your Final Destination
大学の教員、オマー・ラザル(オマー・メトワリー)は著書を1冊残しただけで自殺した作家ユルス・グントの伝記執筆を計画し、遺言執行者の公認を得ようと遺族に手紙を送るのだが、返事は『公認却下』
仕方が無い、と諦めようとしたオマーに遺族が住む南米ウルグアイへ行って直接交渉するよう勧めたのは気の強い恋人ディアドラ(アレクサンドラ・マリア・ララ)だった
一緒に行くというディアドラを置いて単独、ウルグアイへ向かうオマー
作家が暮らした人里離れた“オチョ・リオス”に今も暮らす作家の遺族たち
未亡人キャロライン(ローラ・リニー)
愛人アーデン(シャルロット・ゲンズブール)と娘のポーシャ
作家の兄アダム(アンソニー・ホプキンス)とパートナーのピート(真田広之)
オマーは伝記執筆の公認をもらうためキャロライン、アーデン、アダムの3人と交渉を始める
アダムはある条件を提示し公認を与える
アーデンは、オマーと一緒の時間を過ごすうち共感を寄せ公認を与えることにする
しかしキャロラインだけは頑なに公認を拒否し続けるのだった
広い敷地内の大きな屋敷で、お金に不自由することもなく優雅に暮らしているようにみえた3人が、実は様々な苦悩を抱えていて、突然やってきた歓迎されざる客、オマーが彼らの日々にに大きな風穴を開けることになるのです
気の強いディアドラは、結局オマーに振られる形になります
私は結構彼女が気に入りました
オチョ・リオスの暮らしに溶け込んでいく(ディアドラにすれば伝記執筆という大きな目的を忘れかけている)オマーに対し、キャロラインやアダムからも辛辣な言葉を浴びせられても自分の考え方を押し通す強い意志には、拍手を送りたくなります
オマーを思う気持ちに嘘はありませんし
そして3年後…
自分の故郷といえる場所を持たない彼らは果たして人生の最終目的地に辿りつけるのでしょうか?
個性的な登場人物を情感豊かに演じる役者たちと監督、ジェームズ・アイヴォリーが作り上げた、いわゆる文芸作品であるこの映画
最後まで観客を退屈させず厭きさせず掴んで離さない、後を引く映画です
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます