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三浦しをん「きみはポラリス」

2012年10月19日 | ま行の作家

 

新潮文庫

2011年3月 発行

2012年5月 15刷

解説・中村うさぎ

384頁

 

 

さまざまな形の「恋愛」をテーマにした短編が11編

同性愛、近親愛、信仰、禁断の愛、三角関係などなど

切なかったり、怖かったり、ほのぼのしたり、クスリと笑えたり、頑張れって言いたくなったり

どれも、どこにもありそうな話ですが、短編ながらしっかりと組み立てられていて三浦ワールドを楽しめます

 

中でも気に入ったのは

「裏切らないこと」

お題:禁忌

幼い頃隣に住んでいた老夫婦

同じ苗字だから夫婦と思っていたのだが、二人は姉弟だったのかも

叶わぬ愛、しかし家族であれば決して本気を誓った相手を裏切ることはない

世間の常識って何なのでしょう

破綻する他人と他人の結婚

死が二人を分かつまで続く肉親の愛情

 

「骨片」

お題:あのころの宝もの

学生時代の恩師への思慕

思いを告げぬまま故郷に戻った女性の宝ものは亡くなった恩師の骨片

秘めた恋を心にしまったまま彼女はどんな人生を送るのでしょう

 

「森を歩く」

お題:結婚して私は貧乏になった

突然、ふらりと出かけ、ふらりと帰ってくるパートナー

一体彼は何をしているのか

一般的には「変わり者」に分類されるであろうパートナーと一緒に歩いて行こうと思う女性

人生を共に歩く相手を選択するにあたって重要なのは「今」ではなくて「未来」なのかもしれません

 

 

最初と最後に収録されている、同じ登場人物の「永遠に完成しない二通の手紙」「永遠につづく手紙の最初の一文」はBLもので、狭い部屋の中、閉じ込められた体育倉庫の中、という設定に片想いの彼の気持ちが重なって息苦しかったです

BLものは、内容にもよりますが、今回の話はちょっといけませんでした

 


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2 コメント

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風来坊 (たんぽぽ)
2012-10-21 15:28:29
同じ本を読んでも、お気に入り作品はやはりそれぞれですね。
でも「森を歩く」は一緒でした。
こんな風に謎めいた変わり者、風来坊的男性にはちょっぴりひかれるところもありますよね。
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たんぽぽさん (こに)
2012-10-22 19:15:00
捨松が最後に「森を歩く」の意味を話しましたが、「そんな意味なの?、しをんさんらしいな~」、と思いました。
風来坊的男性についていけるのは、また一風変わった懐の大きい女性かもしれませんね。
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