文春文庫
2012年1月 第1刷
解説・赤坂憲雄
517頁
つつがなく終えることができたサラリーマン人生
定年を迎えた団塊の世代の3人の男性の非会社員生活の理想と現実をコミカルにシニカルに描いています
妻と理想郷「ゆうとりあ」に移住して自家栽培の蕎麦で生粉打ち職人を目指す佐竹
O.G.B.(オヤジでゴメンねバンド)を結成した河村
新会社を設立して奮闘する北川
河村のぶっ飛んだライブや北川の離婚問題を織り交ぜながら進む物語の中心は佐竹の「ゆうとりあ」での暮らし
過疎化が進み、住む人がいなくなった地域に都会から移住してきた人々
のんびり自然に囲まれて、庭で野菜でも作って、と漠然と思い描いていた田舎の暮らしが、そんな楽なものではないことが次第に明らかになる
山から下りてくる猿、猪、熊に荒らされる農作物
さらに人が襲われる危険も増してくる
荻原浩さんのような展開だったのがこの辺りから大きく変わります
動物と人間の関わりを扱った小説を多く著している熊谷さんならではの野生の動物を見つめる視線
「相克の森」を思い出します
さりげない笑いとユーモアの裏に、しっかりと書き込まれた現実と未来
日本に「ユートピア+ゆとり」の理想郷は実現するのでしょうか
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます