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宇江佐真理「さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話」

2021年09月04日 | あ行の作家


文春文庫
2005年2月 第1刷
2019年5月 第15刷
解説・梓澤要
277頁

髪結い伊三次捕物余話第4巻

「鬼の通る道」「爪紅」「さんだらぼっち」「ほがらほがらと照る陽射し」「時雨てよ」

深川の家を放火され、芸者をやめたお文は茅場町の伊三次の長屋で念願の女房暮らしを始めます
これまで家のことは女中任せでやったこともありませんが、長屋の女房連中の助けを借りながら何とか過ごしています
ある日、殺人事件を目撃してしまった定廻り同心・不破友之進の一人息子、龍之介は弱さと優しさゆえ他人に自分が目撃者であることを口に出来ず寝込んでしまいます
そんな龍之介を救ったのは伊三次の強さと優しさでした
不破友之進は前巻の妻・いなみの仇討の件といい、もっと伊三次に感謝の態度を表してもいいと思うのですけど、威張っているんですよねぇ
全くもって身分の差というのはどうしようもないのですね

町中で起こる事件に絡めて伊三次や他の登場人物たちの生活が描かれ、少しずつ皆の過去や性格が明らかになってくるのが読者としては親近感が増して嬉しいところです
お文の長屋での大喧嘩を機に佐内町へ引っ越し、そこで伊三次に弟子が出来、お文に月のものが無いことがわかり、と盛り沢山
解説に次作でお文は無事に子を産みます、とはっきり書かれています
普通だったら興醒めとは思うところでしょうが、むしろ、良かった良かった、次も楽しく読ませてもらいましょう、となりました(^^♪
私、かなり2人に惚れ込んでいます




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