おうち映画（日本）を5本

「出口のない海」

2006年

【WOWOWプラス】

原作　横山秀夫

甲子園の優勝投手・並木（市川海老蔵）は大学進学後に肘を痛めて自慢の速球が投げられなくなり「魔球」と名付けた新しい変化球の完成に復活をかけています

しかし、太平洋戦争が勃発

昭和18年10月、学生の徴兵猶予が取り消され、並木も愛する家族（三浦友和、古手川祐子、尾高杏奈）や友人、恋人（上野樹里）と別れて学徒出陣します

日本の敗色が濃厚になっていくなか、海軍は人間魚雷「回天」を兵器として採用

敵艦に体当たりして自らの命と引き換えに戦果を得る任務につくことを並木を始め多くの若者たちが自ら望みます

山口県の基地で厳しい訓練を終え、潜水艦に乗船

出陣という段になって回天の故障のため基地に戻らざるを得なかった並木は次の出陣に向けてさらに訓練に励むのでした

回天特攻隊員として果てることしか考えられないのですね

戦争の悲惨さを直接的には描かず、基地での訓練や出撃直前の潜水艦内部の緊張を描くことで“死”に向かう若者たちの心理を浮かび上がらせます

印象的だった台詞は並木の父親が出征前の息子に向けた「お前、敵を見たことがあるのか？」

アメリカ人も同じ人間で野球が大好きなのです

アメリカ人と野球で対戦したい…並木の本望はそこにあったのかもしれません

基地で整備兵と楽しそうにキャッチボールをする姿が切なかったです

エンドロールで流れる竹内まりやさんの「返信」も悲しく、どんな戦争に意味などありはしない、と強く思いました

　　　　　

「臨場」

2012年

【WOWOWプラス】

原作　横山秀夫

都内でバスジャック犯による無差別殺人事件が発生

遺族の訴えに反し、犯人（柄本佑）は心神喪失を認められ無罪になります

2年後、犯人を担当した弁護士と、精神鑑定を行った医師が相次いで殺害され、捜査本部は無差別殺人事件の遺族による犯行と睨みます

しかし、検視官・倉石（内野聖陽）は被害者の死亡推定時刻に疑問を抱き、犯人は別にいると推測します

原作は未読、ドラマも観ていません

刑法第39条

1. 心神喪失者の行為は罰しない
2. 心身耗弱者の行為はその刑を軽減する

被害者側からすれば納得できるはずもない法律です

被害者遺族役の若村麻由美さんの迫力が凄まじくて怖いほどでした

でも、そうですよね

死んだ者は戻らないから、と言われて、はいそうですか、では済むことではありません

警察内部の闇が引き起こした第2第3、さらに続く殺人事件に倉石は果敢に踏み込んでいきます

面白かったです

これは原作も読まねば、です

　　　　　　

「家族はつらいよ２」

2017年

「妻よ薔薇のように　家族はつらいよⅢ」

2018年

【Netflix】

「家族はつらいよ」第一作を観たと思っていたのですが勘違いで観たのは「東京物語」でした

でも、観てなくても影響は少ないかと

2は運転が覚束なくなってきた平田家の主・周蔵（橋爪功）に運転免許を返納させようと画策する家族たちと収蔵の対立

妻・富子（吉行和子）が海外旅行中なのをいいことに行きつけの居酒屋のママ（風吹ジュン）を助手席に外出したところ偶然、工事現場で誘導係をしている高校時代の同級生・丸山（小林稔侍）に出会います

立派な家の長男だった丸山がなぜ東京で誘導係などしているのか…訝る周蔵でした

Ⅲは長男・幸之助（西村まさ彦）の妻・史枝（夏川結衣）が、家事の合間にたまたま居眠りしていた時に空き巣に入られてしまいます

被害は少なかったものの史枝のへそくりも盗まれており、幸之助は自分が稼いだ金をこっそり貯め込んでいた史枝に怒りをぶつけます

毎日、舅夫婦、夫、2人の息子のために働いている自分の価値を理解してくれない夫に絶望した史枝は家出してしまいます

即日、回らなくなる平田家ですが、幸之助は自分の言動が史枝を深く傷つけていることに気づく様子もありません

高齢者ドライバーによる事故

セイフティネットから零れ落ちた老人

専業主婦の労働価値

夫の墓に入りたがらない妻

社会問題を取り上げてはいますが結局のところ平田家には大きな影響を及ぼすこともなくトラブルはあっても家族仲良く暮らしていくのです

2もⅢも最後は丸く収まるのですが、何だかなぁ…

少なくとも自分の家族がこんなんじゃなくて良かったとしみじみ思いました

中嶋朋子さん、妻夫木聡さん、蒼井優さんなど有名俳優を揃えて

『さぁ、山田洋次の世界をどうぞ』と言われても…でした

監督ファンには申し訳ないのですが、どうしても上から目線を感じてしまっていけません

文句ついでに

西村まさ彦さん、怒って喚いているばっかり、少しは殊勝な顔を見せるけれどあんなに下手な役者さんだったかしら？

　

「恋のしずく」

2018年

【東海テレビ】

大学で醸造学を研究している橘詩織（川栄李奈）はワイナリーでの研修を夢見ていましたが、広島県東広島市西条の老舗酒造で研修を受けることになります

病に伏している蔵元（大杉漣）、やる気のない跡継ぎ（小野塚勇人）、厳格な杜氏（小市慢太郎）、米農家でもある蔵人・美咲（宮地真緒）らの元で実習を始める詩織でしたが、慣れない作業に失敗ばかり

そんな矢先、蔵元が急逝し老舗酒造は存続の危機に立たされます

ご当地映画です

主役の川栄さん“以外”が良かったです

彼女が脇を引き立たせているようでした

特に、蔵元と亡き妻、美咲と以前から美咲に思いを寄せていた青年（中村優一）の関係が素敵でした

フランスのワイナリーへの研修が決まり西条を去ることになる詩織

最後に詩織が涙を見せるとは思わなかったですが、彼女の決心を思うとナルホドです

将来、ワイン＆日本酒のプロとして大活躍しそう、かな？

　　　　　

「宇宙でいちばんあかるい屋根」

2020年

【Netflix】

原作　野中ともそ

2005年

隣家の大学生・亨（伊藤健太郎）に密かに恋心を抱く14歳のつばめ（清原果那）

両親（吉岡秀隆、坂井真紀）と3人で幸せに暮らしているように見えますが、父の再婚相手である母に子どもが生まれることから、どことなく疎外感を抱いていました

誰にも話せない思いを抱えるつばめが、唯一の憩いの場である書道教室の屋上を訪れると、そこには派手な装いの見知らぬ老女（桃井かおり）がいました

その老女「星ばあ」の強引さに圧倒されながらも次第に心を開き、恋や家族の悩みを相談するつばめなのでした

ファンタジーとのことでしたが、さほど強くなかったかな

しかし、時に樹木希林さんに見えたり、イッセー尾形さんにも見えましたが、桃井かおりさんの不思議オーラは素晴らしかったです

悩み涙し怒り笑い成長していくつばめ

彼女が2020年にどんな大人になっていたか

その描き方が素敵すぎます！

書道教室の先生（山中崇）、いいキャラだわ～(^^♪

清原果那さん、どんな女優に成長していかれるのでしょう

さらにひと皮もふた皮も剥けて大活躍して欲しいです

ところで

「おかえり、モネ」での菅沼先生（坂口健太郎）との恋は進展するのでしょうか？！