猫絵日記

絵を描きながら、猫と私のささやかな日常を綴っています。

捨て猫「ちょろ」との出会い

2015-05-01 09:41:45 | 日記


「るど」が来て、一年くらいたっただろうか。

近所に、ようやく目が開いたくらいのちっちゃい子ネコが捨てられていた。

通りかかった小学生の息子に、近所のおじさんが、「はい。ボク。」って言って一匹を手渡した。

息子はどうしていいかわからず、…仕方なく家に連れてきた。

「ルドがいるから、飼うのはむりだよね。」

仕方なく、二人で子ネコがいたあたりにそっと戻してきた。
「誰かにひろってもらいなよ…」
無責任な言葉だ。  しかしどうしようもない。
後ろ髪引かれる思いで、戻ろうとしたとき、
子ネコは、必死で後をついてきた。

「どうしよう。」とりあえず、再び家に連れて帰った。
庭で、水とエサをあげた。
子ネコは、あまりにも幼くて、ひとりでエサを食べるのもやっとという感じだった。
母猫は心配しているだろうな…

「そのうち、どこかにひとりで行くよ」
あきらめきれない息子を、わけのわからない言葉で説得して、その場を離れた。

一匹では とても生きていけるわけがない。  わかっているから、……いやな罪悪感。

それから数時間たった。
「もう、いないだろうな。」


夜、11時ころ、夫が帰ってきた。
胸に、見覚えのある子ネコ。
「庭に猫がいた。」と言って。

人は、つらい時や、孤独な時、満たされない気分の時、動物を飼いたくなるらしい。
夫は、その日、きっとそんな気分だったのだ。(…ただパチンコに負けただけ…)
人なつっこい子ネコが、意気消沈した心に、スッと入ってきた。


夫の承認も得られ、息子も「自分が面倒を見る」という約束で、この捨て猫は我が家にやってきた。(面倒見るって…ちょっとは、約束守ってね!)

黒いシマのあるちっちゃなオスのブチ猫。
「ニャー」と一言も鳴かず、声が出ないのかと心配した。
ちょろちょろと落ち着きがなく、寝ている以外は動いていて、よくじゃれた。
いつの間にか、「ちょろ」と呼ばれるようになった。
9年間一緒にいた。


しかし、「ルド」にとっては、大事件だったに違いない。
この後、「ルド」の運命は、「ちょろ」のために変わってしまったのかもしれない。


コメント
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