オス猫の世界では
①体が大きいこと
②顔がふくらんでいること
が、まず、強い男の条件らしい。
「ちょろ」はそういう点では恵まれていた。
あんなに小さかった子ネコは、どんどん大きくなり、「ルド」を抜いた。
大猫になった。なでがいのある広い額をしていた。
「ルド」はそんな「ちょろ」と顔を会わせたくなかったんだろうな。
気が強く、運動神経は「ちょろ」よりずっと良かったから、2階のベランダから屋根づたいに外に出ることを覚えてしまった。(屋内猫のはずが…!!)
(ベランダから屋根伝いに…って簡単なことのようで、できるのはこれまで「ルド」だけだった。猫の中ではレアな能力らしい)
でも、悲しいかな…。
「ルド」は小柄な方だった。 オス猫の世界では不利だった。
外に行けば、「ちょろ」からは逃れても、たくさんの敵がいる。
シッポをかじられて、怪我をして戻ってきた。
2.3日、タンスの上でじーっとしていた。 痛そう…。
「ちょろ」もそのうち「ルド」の真似をして、外に出るようになってしまった。(屋内猫のはずが…!!)
ただし、開いている玄関や窓から…。
だけど「ちょろ」は怪我をしてこない。
どうも、強いらしい。
他の猫に、おでこを突き合わせて、ガン飛ばしているのを目撃した。
「ちょろ」の意外な一面を見た。
あのかわいかった「ちょろ」が…!
それでも 猫にとっては、よほど外の世界は魅力的なんだろう。
一度覚えると引き止めるのは難しい。
傷が癒えると、また「ルド」は出かけて行った。
みんなの心配をよそに……。