

野性児「ちょろ」は、成長すると、だいぶ飼い猫らしくなった。
人間も、子供のころ、「この子、どうなっちゃうんだろう?」って心配したワンパクでも、案外、普通の人になるのと同じだ。
ただ、壁の爪とぎは、最後までなおらなかった。
叱ると、ちょっとはひるむようになったけど…。
それと、大きくなっても、よくじゃれた。
「ルド」はだっこが嫌いだったけど、
「ちょろ」は寒いときや、気が向くと、私の膝にのることもあった。案外、甘えん坊だった。
大きくて広い「ちょろ」の額を優しくなでるとゴロゴロいって、本当にかわいかった。
そういえば、一度こんなことがあった。
私が夕食の支度中、足に絡み付いて甘えてきた。
「忙しいからね」 無視していたら、いきなり私の足に”おしっこ”をかけたことがあった!!
えーっ!!信じられない! におい付け? それとも仕返し?
…かまってほしかったんだね。 猫の心はわからない。
「ちょろ」はお客さんが来ると、姿をくらまして、カーテンの陰にずーっとうずくまって、小さくなっている。
猫の間では、大きな顔(実際顔が大きい)していたのに…
人間には極端に人見知りで、内弁慶だった。
だから、青森に帰省しても、ずっと猫のために用意した檻の中で、緊張しておとなしくしていて、ちょっとかわいそうなくらいだった。