パパとママは些細(ささい)なことから喧嘩(けんか)をしてしまった。お互(たが)いに意地(いじ)を張(は)って、引くに引けない状態(じょうたい)に。今さら謝(あやま)りたくないパパは、息子(むすこ)を使って無(な)かったことにしようと…。
「でもパパ、僕(ぼく)にそんなことを頼(たの)むってことは、それなりに見返(みかえ)りがあるってことだよね」
小学生の息子は抜(ぬ)け目がなかった。パパは驚(おどろ)いた顔で、
「お前、よくそんなこと知ってるな。どこで覚(おぼ)えたんだよ」
「これぐらい常識(じょうしき)だよ。誰(だれ)だって知ってることさ。それより、どうなの?」
「じゃあ…、今度の休みにどっか、遊(あそ)びに連れてってやるよ。どこがいい?」
息子はしばらく考えていたが、「でもなぁ、パパにそれだけの経済的(けいざいてき)余裕(よゆう)があるとは思えないよ。それだったら、ママに付いた方が絶対(ぜったい)良いと思うんだけど」
「なに言ってんだよ。ここはな、男同士(どうし)で結束(けっそく)しないと。お互(たが)い、こう助(たす)け合ってだな…」
「分かった。ちょっと考えさせて。心配(しんぱい)しなくてもいいよ。今の話は内緒(ないしょ)にしとくから」
「何を考えるんだよ。お前だって、パパとママが喧嘩してちゃ嫌(いや)だろ。早く仲直(なかなお)りして…」
「まあ、そうだけど。じゃあ、ちょっと待ってて。さっきママに呼(よ)ばれたんだ。僕、行かなきゃ。きっとママも同じこと考えてるんじゃないかなぁ。でも、心配しないで。もし離婚(りこん)ってことになっても、僕はいつまでもパパの子供(こども)だから」
<つぶやき>手なずけられてるのはどっちかな? 家族(かぞく)は仲(なか)が良いのが一番だと思います。
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