みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1413「みおの事件簿/元刑事」

2023-09-03 17:24:59 | ブログ短編

 鬼瓦刑事(おにがわらけいじ)はチャラ男(お)に顔を近づけると、不気味(ぶきみ)な笑(え)みを浮(う)かべて言った。
「なぁ、あの<夜汽車(よぎしゃ)>っていうバーで、何人の女を釣(つ)り上げたんだ?」
 チャラ男は顔を引きつらせて、「僕(ぼく)は…何もしてませんって……。ほんとです。僕は何も…。っていうか、誘(さそ)った女は…誰(だれ)も来なかったんですよ」
「来なかった? どうしてだ」
「そんなこと知りませんよ。あのバーで約束(やくそく)したときは、いい感(かん)じだったのに…。すっぽかされたんですって。五人とも…」
 目黒(めぐろ)がそこに割(わ)って入って、「五人? 今日の他(ほか)に四人いたのか? どんな女だった?」
「ど、どんなって…。そ、それは…」
 鬼瓦が行方不明者(ゆくえふめいしゃ)の写真(しゃしん)を出してチャラ男に突(つ)きつけた。
「こいつらだよ。よく見ろ。みんな、髪(かみ)の長い良(い)い女だろ」
 チャラ男は思い出したようで、「ああ、これです。僕が誘ったのは…。間違(まちが)いないです」
 鬼瓦は凄(すご)んで見せて、「お前があの店で女を誘ったとき、誰(だれ)か、そばにいたか?」
 チャラ男は首(くび)を傾(かし)げて、「さぁ、女の顔しか見てなかったもんで…」
 目黒は鬼瓦に言った。「もう時間がない」目黒はスマホを出して、「彼女にGPSを渡(わた)してあるんだ。これで見つける。お前は、応援(おうえん)を要請(ようせい)してくれ」
<つぶやき>元刑事(もとけいじ)だからか、目黒は手際(てぎわ)がいいですね。でも、いつの間に渡したのか?
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