脳梗塞で倒れた
言葉を失った
意識はあるが動けない
母との会話が消えてしまった
最初は母が悲しそうに私を見つめていた
互いに目はあった
私のこともしっかりとわかっていた
私は毎日、母のもとにいった
会話ができなくても母のそばにいたかった
何度も涙を浮かべた
その度に母の目が悲しく曇った
私は明るくしなければと思った
その日の楽しかった出来事、子供達のこと孫のことを話した
どこまで理解出来るのかわからないけど、ウンウンと頷いている母
孫の写真を見ると目を大きく開いた
母にとってはたった一人の曾孫
その存在は母の生きる力だった
何度も母を襲う誤嚥性肺炎
危篤になり
皆が覚悟をする
でも何度も母はのりきった
母のその強さにみんなが驚いた
生きたいという母の生命力
この状態がこれより先つづく可能性は少なかった
私は
自分の心を母にだけ捧げようと思った
今は母が私には大切な人
母にだけ私は心を注ごう
そう考えはじめた
母は良く頑張ってくれた
大好きな母
毎日 頬をさすり
動かぬ手をさすった
あったかい母の体温
それを感じる事に集中した
荒れすさんだ心が緩み始めてきた