2018年公開
スタッフ・キャスト
解説
1980年代のイタリアを舞台に、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的な恋の行方を、美しい風景とともに描いたラブストーリー。
アンドレ・アシマンの同名小説を原作に「日の名残り」「眺めのいい部屋」の名匠ジェームズ・アイボリーが脚本を執筆、「胸騒ぎのシチリア」などで知られるルカ・グァダニーノ監督がメガホンをとった。
第90回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、アイボリーが脚色賞を受賞した。
「インターステラー」「レディ・バード」のティモシー・シャラメと「コードネーム U.N.C.L.E.」「ソーシャル・ネットワーク」のアーミー・ハマーが主人公カップル役で共演。
エリオ役を務めるのは、映画『インターステラー』でケイシー・アフレック演じるトム・クーパーの幼少期を演じたアメリカの新星、ティモシー・シャラメ。
『君の名前で僕を呼んで』で映画初主演となるティモシー・シャラメは、ニューヨーク、ロサンゼルスを始め、全米各地の映画批評家協会賞で数多くの主演男優賞や新人賞を受賞。
さらにアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
対照的な青年2人が経験する、眩しき一夏の恋
83年、夏。家族に連れられて北イタリアの避暑地にやって来た17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。
一緒に泳いだり、自転車で街を散策したり、本を読んだり音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオはオリヴァーに特別な思いを抱くようになっていく。
溶け合うように肉体的に結ばれた時、オリヴァーはエリオに「君の名前で僕を呼んで」と囁く。
今やエリオはオリヴァーで、オリヴァーはエリオである。
夏が終わる頃、エリオは永遠に自分の一部だったものを失い、新しい彼になっていく。
そのエリオを包む父親のパールマン教授を演じたマイケル・スタールバーグがいい。
彼はエリオの恋を裁くような真似はしない。
パールマンが最後にエリオに話すシーンは感動的だ。
これはどのような初恋も祝福されるべきだという、ジェームズ・アイヴォリーから若い世代へのメッセージなのだ。
ふたりはやがて激しい恋に落ちるが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてきて……。
★この映画を格別なものにしているのは、思春期におけるひとりの男性の欲望を描いた、その赤裸々さによるものだけではない。
息子の一夏の経験を、"思春期特有の過ち"として忘れさせようとするのではなく、そこには人生における"真実の瞬間"が存在していること、かつて自分にもそのような機会が訪れたが、その機会を生かせなかった、それは誰もが経験出来ることではなく、君は特別な体験をしたのだと語る、エリオの父マイケル・スタールバーグがその演技に滲ませる、むしろ母性的とも言うべき"優しさ"、そして、全てを知りながら、エリオの羞恥心を理解して、素知らぬ振りを決め込む母親アミラ・カサールのきっぷの良さ、一生の友達でいたいと抱擁を交わすエステール・ガレルが示す友愛の情、そうした全てが"革命的"なのだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます