県女性の会の学習会があり藤野高明さんが「楽しく生きる」と題して話されました。
藤野さんは小学校2年の夏休みに不発爆弾で両眼失明、両手首切断、一緒にいた5歳の弟は即死という悲劇に見舞われました。
数々の計り知れない苦渋と苦難に遇いながら唇で点字を学び不屈の精神で点字による受験を実現させ30年間視覚障害の生徒を導いてこられたということです。
小学校の時先生が「正義の戦争だから必ず勝つ、皆頑張ろう」と言われ「天皇陛下は神様だ」と教えられたこの二つの事が子供心に深く焼きついた。
両眼失明、手首を失い近所の子供たちと遊び喧嘩になった時、友達から体のことを揶揄する言葉を浴びせられたことは数え切れないくらいあった。ある時はあまりの悔しさで自殺しようと思ったが母親にきずかれ怒ったことのない母親が叩かんばかりに叱り諭してくれた。
子供を亡くし大きな障がいを背負った息子を持つ親の苦悩は如何ばかりであっただろう。「戦争さえなかったら」と母はよく言っていた。
お母さんの偉大さを感じさせ、藤野さんの明るい顔で話される姿にとても感動しました。
講演が始まる前には会場後ろで藤野さんの本の販売やミニバザーが開かれました。
講演の中で点字の本の価格差制度をなくし本のジャンルや年齢枠を取り除いたりする運動もされてこられた事などを話された。
最後に「戦後70年 今の状況は大変危険だ。今こそ真剣に次の世代に憲法9条を引き継ぎ戦争のない時代を残しておかなくてはならない」と語られた。
以下は20数年前藤野さんが高校で話された時に出されたニュースです。講演があると聞かれたその学校の方が藤野さんに会いに来られコピーして配布してくださったものです。