一週間イナカに滞在し、街からやってきた連れ合い(実はもうすぐ連れ合いではなくなるのだが、その件はまたいずれ)と引継ぎをしていたところ…
彼が「あっ!」と言って隣の麦畑を指さした。
…どうして麦畑に牛がいるんだろう。牧草地は隣だよ。
牧草地との間には電気柵があるはずだが越えてきてしまったもよう。脱走牛?…と思ったら、
横に生まれたての子牛がいた!! 子どもを産むためにこちらにやってきたのか??
彼が牧場主に電話をすると、まず牧場主のMさんが車でやってきて子牛を確保。肩車して車に運ぶ。
そしてその後牧場から助っ人三人と犬が来て母牛を捕まえようとしたが、これがなかなか大変でかなりてこずっていた。
最後はやっと御用となり、トラクターで牧場に戻される。
みんなが必死なので写真は撮らなかったのだけれど、あの大立ち回りを撮らなかったのは残念だったなあ…
考えてみると麦畑の持ち主がお気の毒…
子牛は男の子で元気とのこと。たしか法律があって生まれた子牛は一定期間は母牛のそばにおき母乳を飲ませることが義務になっていたはず(母親が乳牛でも)なので、今もまだいるだろうと思う。でも男の子だから長くはいられないだろう。
実質夏休みに入り、一人でイナカに泊っている。
正確に言うと寝泊まりは家ではなくてこのトレイラーハウス
入って窓を開け、しばらくしてもハエが入ってこないから「なんかいつもと違う」?
考えてみるといつもはうちのすぐ近くの草を食んでいる牛たちが遠くの水辺のほうにいる。もう雨が長いこと降っていないので牧草が全然育っていないのだ。農家は飼料を補給しなければならず大変そうだ。ハエが入ってこないのは有難いけれど…
うちの畑も「何か食べられるものがあるだろう」と思ったけれど、植えてある野菜たちはかろうじて生きているだけで全然大きくなっていなかった。
それに代わって元気なのは、こぼれ種から育った君たち
ルリジサ。スウェーデン語ではGurkört(きゅうりのハーブという意味)もう十年以上前に種をまいたら毎年こぼれ種から新しい芽が出る。乾きにも強い。
ハーブとしてどのような効用があるのか知らないが、花と若い葉は食べることができる。名前のとおりきゅうりのような味がする。
それから、これも毎年生えてくるコリアンダー。芽を出したとたんにトウ立ち…
西洋あさつきとセージの花が咲いて、虫たちがいっぱい集まっていた。
そういうわけで、昼ご飯は、ヨーグルトにきゅうり味の葉っぱとワイルドガーリックのなり始めの実(少しだけにんにくの香りがする)とミント、を入れて、ギリシャ風(どこが?)サラダ
この緑色のプチプチがワイルドガーリックの実
初夏のイナカ
これを撮ったのはしばらく前なのだけれど麦にもう穂が出ている。例年より早いような?
オダマキが咲いた。手入れ皆無なのに毎年きれいに咲いてくれてありがとう。
赤すぐりが大きくなってきた
イチゴの花もやっと咲いた
天気もいいし、虫たちも飛び回っていてくれるから多分いちごがなるだろう
…と見越して、去年作ったイチゴのシロップをうすめて飲む。
これは母がよく作ってくれた日本のレシピで、砂糖と生のイチゴと酒石酸(たぶんクエン酸でもいいのだろうと思う…スウェーデンにも両方売っているけれど違いがよくわからない)少々を瓶に入れて、砂糖がとけてイチゴがうかびあがってきたら濾して保存する。
スウェーデンのシロップ(saft) はベリーを加熱して漉してから砂糖を加えるものが多い。私は何となく母のレシピのほうが好きでほぼ毎年作っている。