南スウェーデン便り

ときどき南スウェーデンの真ん中のイナカから、ときどき街からお便りします。

ライラックの季節

2023-05-30 09:13:05 | 街便り

今はライラックが満開で、町中に香りが漂っている。

 

「ライラック」という言葉は昔から聞き覚えがあるけれど、私は20歳すぎるまで見る機会がなかった。

生まれて初めてライラックの花を見たのはソウルに住んでいた時。

梨花女子大の構内を散歩していた時に薄紫色の花が見事に咲いているのを見て、新潟から来た友だちが「ライラックだ!懐かしい!」と喜んでいた。北海道の人も懐かしいと言っていたので南限があるのかもしれない。

花は藤色、赤紫など白から紫系統のバリエーションがたくさんあり、コーン状の花が穂のように風に揺れる姿が美しい。

これは白い花。

公園の風車の横に茂みがある。

 

前回書いたプラスチック税の話の続きを…

今日は「530」で「ゴミゼロ」の日なのだそうで、無駄なゴミが出ないように自分のタンブラーを持ち歩きましょう!というような呼びかけをソーシャルメディアでちらほらと見かける。

どうしてスウェーデン民主党がビニール袋税廃止のために一生懸命になっているんだろう…とちょっと不思議に感じていたのだけれど、あの後ネットで日本のニュース番組を見ていたらそのてがかりになりそうなものを見つけた。もうその番組は時間が経ってネットには残っていないようなのでちょっとうろ覚えになるけれど、以下のような内容。

それは、少子化対策大臣に大学生が政府の少子化対策案に関して今の若い世代の苦しい経済状態を具体的に揚げ、「これでは対策にならない」と指摘して大臣を返答につまらせた、という話題をとりあげていたもので、それ自体はプラごみとは関係ないのだが、それに関連してその番組が「ゴミ袋を買うお金もないのに! SDGsとかいってレジ袋を有料化ってどういうことなんだろう」という声をとりあげていた。「SDGsには一生懸命で、私たちの生活のことは誰も興味がないの?」という疎外感というべきか。

それはスウェーデンにもきれいに当てはまる。「私たちの生活がどんどん苦しくなっている時にどうしてバイオ燃料を混ぜた高いガソリンを買わなければいけないのか/どうして高いレジ袋を買わなければいけないのか/どうして難民を受け入れるのか/」…という庶民の声に反応しているのがスウェーデン民主党なのだ。本当に人々の生活のことを考えて実行するか(できるか)というのはまた全く別な話だが、そういうふくれあがった不満や不安をとりこんで成長してきたのが彼らなのだと思う。

みんなが生活の不安なく暮らせることと、地球の健康を保つことは結局は重なった課題であるはずなのに…?

 


すぐりのゼリーとプラスチック税

2023-05-26 04:07:11 | 街便り

梨やりんごの花も咲き始めた。

これは梨の花。年にもよるが、実がついても全部風で落ちてしまうことが多い。味はとてもいいのだけれど…

 

こちらは二週間前に撮った赤すぐりの花。ベリーの花は地味なものが多い。

今週。ちびベリーが見える!

 

これで家に残っている去年の赤・黒すぐりのシロップやゼリー(デザートではなくて肉料理に添える保存食)を使い切っても大丈夫!

ということで型に残っていたゼリーを…

シロップのほうは炭酸水で割ってどんどん飲もう。これは去年撮った写真で花のシロップ二種とカシスのシロップ

 

私はもともと無糖か微糖の炭酸水を飲むのが好きだったのだが、五年ぐらい前に炭酸水メーカーをもらって以来これらの飲みものを買う必要がなくなった。

炭酸水マシンのほかに、ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るようになったおかげでヨーグルトも買わずに済むようになり、ペットボトルやプラ容器のごみ問題に頭をなやませることがなくなってよかったと思っている。(といっても実は…うちのヨーグルトメーカーはプラスチックでできている)

イギリスや他のヨーロッパ諸国と同じように、スウェーデンはプラスチック税というのを3年前から実施していてスーパーのプラ袋が8クローネになった(紙袋は無料)のだが、そのプラスチック税を来年の1月から廃止という政府案が発表された。

これは与党第一党の「穏健党」のフェイスブックページ。「私たちはプラ袋税を廃止する!」

新聞を見たらプラ税廃止に非常に積極的な「スウェーデン民主党」(例の移民嫌いの)の担当者がインタビューに答えて、「スウェーデン人はビニール袋を自然の中にポイ捨てなどしないから悪影響はない。風力発電のタービンを作る方がずっと環境に悪い」という理解不能の回答をしていた。移民と風力発電は嫌いだけどプラ袋は好きなのか…?? 

プラ税廃止反対!

 

 

 

 


ルバーブ収穫

2023-05-17 07:20:41 | イナカ便り

やっと気温が上がって来た。もう霜の心配はなくなりそう。

 

口紅水仙が咲き、代わりにロウラクユリの花弁が色あせてきた

 

牧草(去年は麦畑だった)の向こうに見えるお隣さん。もともと乳牛農家だったが牛を手放して年金生活を送っていたこちらの老夫婦にはいつもお世話になっていた。

数年前からご主人の体調が悪くなり何度か手術を受けたのち、去年の暮れに自宅で亡くなった。今は奥さんが一人暮らしをしているが、市内のアパートに引っ越すことに決めたという話を先日聞いた。寂しくなるなあ…

 

ワイルドガーリックにつぼみがついた。花も食べられる。

 

一週間で突然大きくなったルバーブ

収穫 (ルバーブ、ワイルドガーリック、チャイブ、イラクサ)


またイラクサ

2023-05-07 06:39:16 | イナカ便り

桜草の親せきキバナノクリンザクラ これも二株ぐらいお隣にいただいて植えたら毎年増えて原っぱがこんなになった。

このあたりでは春の訪れを告げる花の一つ。日本では何とかイチゲというらしい

野良仕事をしていたら空から降って来た鳴き声…

「あれ、鶴?」

毎年春になるとスウェーデンに鶴がやってくる。隊列を組んでアフリカを出発、ヨーロッパ大陸を通過してはるばるスウェーデンにやってきて子育てをするのだが、たいてい森と湖のある中部以北まで飛んでいったところで棲み処を定めて着地することがほとんどなので、ここ南スウェーデンでは空高く飛んでいる隊列を春に一度、秋に一度地上から見上げるのが恒例の行事のようになっている。

でも、鶴の大移動は今年はもう終わったはずなんだけれど…と声のする方を見ると、なんと鶴が水辺に降りて散歩している。遠くてよく見えないので適当にカメラを向けて写真をとってみたところ、どうやら三羽いたようだ。こんな時間にこんなところにいるということは、北上する気はなくてここを棲み処にしようと決めているのか?? このあたりは自然はイマイチだけど水や食べ物の調達は問題ないだろう。また会えるかな??

この写真ではわからないと思うけれど一応

 

イラクサとワイルドガーリックがどんどん育ってジャングルになりかかっているのでまた収穫。

 

イラクサはこまかい棘が刺さると二三日ちくちくするし、腫れてしまうこともあるので、料理するときは親の仇のようにぐつぐつ煮ていたのだが、スウェーデンのベテランのシェフがこのイラクサでスープを作っているところを動画で見たら、なんとイラクサの葉をワイルドガーリックと岩ミツバとともに生で刻んだだけのところにブイヨンをかけてバーミックスでがーっとやるだけで完成!「えーっ そんなんで大丈夫なの?」

と思ったけれどプロのシェフがやっているんだから大丈夫なのだろう。

そのシェフを真似してスープを作ったら、ぐつぐつ煮るよりもはるかに香り高いものができた!

のこりをオート麦でリゾット。これもおいしかった。