夜中の3時頃、
「あ!もこが吐いてる。」
家内の叫び声に起こされる。
もこは、ゲホゲホと嘔吐した後、そのまま転倒。
何とか立ち上がろうとするも、ふらついて立っていられない様子である。
正直この時、
もこの命の火が、このまま消えて無くなるのではないかと言う恐怖に襲われていた。
もこの体を撫でてやるぐらいしか私らに為すすべはなく、まんじりともせず、夜が明けるのを待っていた。
幸い、荒かった息も収まってきて、少し落ち着いてきたかのように見える。
朝一番で病院に電話。
「直ぐに連れて来てください。」
診断の結果は、
「前庭疾患だと思います。」
前庭と呼ばれる平衡感覚をつかさどる領域が、何らかの原因で侵され、
「眼振症状が現れ、目眩により転倒したり、今日の様に嘔吐なども伴います。」
原因は加齢であろうとの事。
治療としては、吐き気止めなどの対症的な方法になるようだ。
命に係わる事は無さそうで、
「1週間ほどで症状は治まってくる事が多いです。」
「そうですか。よかった!」
心底ホッとした。
但し、
当分の間、水を飲むにもオシッコをするにも介添えが必要であり、
私か家内のどちらか一人は、もこの傍に居てやらねばならぬ。
任せとけ、もこ。
今、もこは私の隣で小さな寝息を立てている。
2年前に突発性関節炎を発症して以来、肝機能障害、腎機能低下、脊椎ヘルニア等々、
もこはまるで病気のデパート状態だ。
頑張れ、もこ!