10日ほど前、阿蘇の烏帽子岳と杵島岳に登った。
その時は、阿蘇の主役とも言うべき高岳と中岳は、相変らずの入山規制中。
登る事は出来なかった。
それが最近、規制解除になったと聞いた。
話しは変わって、前庭疾患を患ってしまった、もこの事である。
実はその後、驚異的な回復を見せてくれている。
多少ふらつきは残っているものの、自分で水も飲めるし、介添え無しにオシッコも出来るようになった。
二人で掛かりっきりの介護は必要無さそうだ。
「俺、阿蘇山登りたいな。」(私)
「行きたいなら、行ってこんか!」(家内)
てな訳で、仙酔峡登山口である。
駐車場で準備をしている人々の顔には、一様に『待ちわびた』と言う表情が浮かんでいる。
「今登っとかんと、いつまた噴火して、登れんようになるか分からんけんね。」
この日、こんな会話を山のあちこちで聞いた。
誰しも考える事は一緒なのだ。
もう動く事は無いであろう仙酔峡ロープウエーに沿って登って行く。
思い返せば、阿蘇の中岳と高岳に登るのは、実に2年ぶりである。
長いご無沙汰だった。
ズンズンと登って行く。
ロープウェイ火口駅。
廃墟感が半端無い。
この駅に家族で来たのは、いつの事だったろう?
あの頃は、箱一杯の客で溢れていたのに。
今は昔である。
中岳火口まで登って来た。
白い噴煙を上げる中岳火口。
背後には、10日前に登った烏帽子岳と杵島岳が。
中岳の山頂は、眼下に見える稜線の先の尖がりの、そのまた向こうにある。
この岩稜を越えると、
やがてモノトーンの世界に変わる。
中岳山頂到着。
人が多い。
とっとと先へ進もう。
高岳へ。
連休と言う事もあるだろうが、2年ぶりのこの山開きを、みんな待ちかねていたのだ。
ミヤマキリシマのシーズンかと見紛うばかりの、沢山の人出である。
高岳山頂が見えてきた。
肥後の国(1592m)到着だ。
人が多い高岳山頂を避け、稜線の先へ降りて休憩だ。
阿蘇盆地の向こうには、九重連山がくっきりと。
阿蘇千枚田
前方には天狗の舞台。
久々だ。
その奥には、カッコよすぎる根子岳の岩稜が顔を覗かせている。
鷲ヶ峰。
現在進めるのはここまで。
ミヤマキリシマの季節には、何とかこの先まで行けるようになってて欲しいものである。
帰りは、仙酔尾根を降りる。
実を言うと、痛めていた右膝に、少し前から若干痛みが出ている。
この激坂の下りに耐えられるだろうか。
中腹辺りまで降りてきた。
イテテテ
段々痛みが増してきた。
(ガニ股はいかん。足を真っすぐ、足を真っすぐ)
呪文のように唱えながら下って行く私である。
駐車場まで、すぐそこの所まで降りてきた。
何とか右膝君は耐えてくれたぜ。
2年ぶりの阿蘇中岳&高岳。
いつまた噴火するか分からんのだ。
兎に角登れるうちに、また登っておかなきゃね。