南阿蘇を訪れたなら、ここで豆腐を買って帰る。
ここ最近の私達のルーティンである。
四季見豆腐。
豆腐料理店併設の豆腐屋さんだ。
買う物は決まっている。
押し豆腐と、生揚げ生地だ。
生揚げを売る店自体少ないが、その生地を売る店は更にまれである。
今晩、テーブルに並ぶのは、揚げたての生揚げ。
熱々の生揚げを肴に、焼酎のロックをグビリ。
ウヒ、ウヒ、ウヒヒ
昼間っから晩酌風景を想像し、だらしなく薄笑いを浮かべる私である。
さて、
取り敢えず腹が減っている。
豆腐料理専門店にいるからには、豆腐を食べたいところだが、
何しろ、今晩の夕食は豆腐づくしである。
何か違う物が良いのだが・・・
四季見豆腐の目の前に漬物屋さんがある。
とくまる食堂?
漬物屋が食堂を?
面白いじゃないか。
ガラガラガラ
「ごめん下さーい。」
「いらっしゃいませ。」
メニューはと言えば、だご汁と漬物のみ。
選択の余地はない。
まてよ。
これって、もしかして・・・
だご汁に、アレが入っていたら万事休すじゃないか。
恐る恐る、
「だご汁にカボチャって、入ってますか?」
この質問はとても重要だ。
もし、あの悪魔がだご汁に入っていようものなら、私はそれを一滴も啜れない。
だご汁定食を頼んでおいて、ご飯だけ食べるでは、あまりに哀しいではないか。
「うちはカボチャは入れませんよ。」
オバサンのにこやかな顔が、慈悲深き女神様に見えたのは言うまでもない。
【昔懐かしい素朴な味をお楽しみ下さいませ】とな。
ふむふむ。
先ずはお漬物6品が運ばれてくる。
それぞれを取り皿に入れて準備完了。
ここでは漬物は、単なる添え物ではなく、位置づけとしてはメインディッシュなのだ。
カボチャが入っていない、清く正しく美しいだご汁。
それに高菜めし。
全景である。
先ずは、カボチャが入っていない・・・え、しつこいって?
えーっと、とにかくだご汁から、
ツルン
あご出汁が良く効いてて、とても美味しいぜ。
【素朴な味】なんて、謙遜しすぎである。
漬物はどれもこれも美味しく、やはり南阿蘇は、どの店も外さないね。
デザートの手作りロールケーキ。
ご馳走様でした。
食事が済んだら、本業の漬物店へ。
「白菜の古漬けと、生姜の醤油漬け、それに、えーっと、あと高菜と茄子と・・・」
この日、
南阿蘇の豆腐と漬物と野菜他 etc
諸々、爆買いである。