今日の昼は、久々の外食だ。
向かった先は、久留米一番街。
かつて、このアーケド街を行くときは、人波を避けながら、肩が触れ合うように歩いたものだ。
それが今では、典型的なシャッター街となってしまった。
そんな街角で、未だに元気に営業しているこの店が、本日目指す店である。
シャッターが下りている店の2階。
グリンダである。
薄暗い階段を登る。
昭和の香りを色濃く残す、所謂『喫茶店』である。
断じて、今時のカフェではない。
公衆電話が置かれたであろうボックス。
今では本棚として、第2の人生を歩んでいるようだ。
人気メニューは和風ハンバーグらしいが、ここは喫茶店ランチの定番メニューでいきたい。
そう言う意味で、ナポリタンは絶対外せない・・・が、
ん?
グリンダピラフとな?
コンビーフ入りのケチャップ味ってか。
コンビーフとは、こりゃまたそそられるぜ。
どっちにするか。
えーい、、、
「ナポリタンと、このグリンダピラフちゅうやつを。」
「二つでございますか?」
念を押すには及ばぬ。両方所望したい。
こうなったら、
炭水化物万歳!なのだ。
すっこんでろ、ダイエット!なのだ。
「グリンダピラフです。」
おお、予想した通りの景色じゃないか。
頂きまーす。
ふむ。
早い話、ケチャップライスやな。
だが、そこらのケチャップライスとはちょいと違う。
コンビーフが独特のコクを利かせている。
ん?
これって、ナポリタンと丸々ケチャップ被りになってはいないか?
いやいや、きっと気のせいだ。
この選択でよかったのだ。
家内が注文したのは、エビと鶏のグラタン。
ホワイトソースの豊潤な香りが、対面に座る私の鼻腔まで漂って来る。
いつもなら、ちょいと食わせろと横取りするところだが、ここはグッと我慢だ。
何しろ、二品注文しているのだ。
胃袋に余裕を持たせたい。
「ナポリタンでーす。」
きた、きた。
ジュージューと音を立てるトマトソース。
ナポリタンは粉チーズをたっぷりかける。
勿論、タバスコも忘れてはいけない。
頂きまーす。
ズズズズーー
これこれ、こうじゃなくちゃね。
味の深み?
くそくらえだ。ケチャップまみれで何が悪い!
ナポリタンは断じてこの味なのだ。
普通でいいのだ。
いや、普通である事こそが重要なのだ。
『あの店のナポリタンは他の店の物と全然違う!』なんて店、私は断じて認めたくはない。
ナポリタンであれカツ丼であれ、普遍的な食べ物は、味付けも調理法も普遍的であるべきなのだ。
ゲフ
あー、美味しかった。
御馳走様。