古いキャンプ仲間がいる。
子供が幼かった頃からの付き合いで、長い人では、かれこれ30年になる。
時が過ぎ、キャンプ場を走り回っていた子供らは、立派な社会人となり、
私たちは殆どがリタイヤし、白髪頭となったが、今でも交流は続いている。
週末は、その仲間達と私の義兄を交え、7組でオートキャンプである。
場所はオートキャンプ龍門。
先ずは駆けつけの一杯。
博多の義兄到着と同時に、義兄の持つタープとFさんのドーム型タープを合体。
巨大なリビングが出現した。
これが後々、我々を襲う試練から、救ってくれることになる。
正面は博多と篠栗の義兄二人。
呑兵衛なのは、言うまでもない。
そろそろ七輪に火を起こして、食材を焼くか。
私のキャンプ飯は、こんな単純な物ばかり。
だが、こういうのが好きなのだ。
しょうがないのだ。
一方、他のテーブルでは、色々と凝った料理が並ぶ。
それぞれを、ちゃっかり頂きながら、
ハイボールにチェ-ンジ。
グビリ
陽が落ちてきた。
キャンプ場すぐそばの清流では、儚げな蛍の明滅が見える。
と言っても、その画像は無い。
全て失敗に終わったからである。
シクシクシク
そろそろ、ひとっ風呂浴びてくるか。
チャポン
「あー、極楽極楽。」
ジジイの決め台詞は、忘れてはいけない。
キャンプ2日目
博多の義兄が、竹筒の中に米を仕込み火にかけている。
「そう簡単に、上手くいくとは思えん。」(メンバーA)
「そのうち、火床から転がるっちゃない?」(メンバーB)
「竹が破裂して、サイトにご飯が飛び散ったりして。」(メンバーC)
「ヒエ~~、それって大惨事じゃん。」(メンバーD)
大多数の、悲観的な声を背中に受けて、
「さて、もうよかろ。」(義兄)
おもむろに竹を割ると、何と、大成功と言う顛末。
散々呪いの言葉を浴びせられたにも関わらず、ご満悦でお裾分けを配る兄であった。
二日目はKさんちの娘二人も加わり、更に賑やかになる。
夕方から雨が強くなる。
降りしきる雨がタープを打つ。
時折、傘の柄でつついて、溜まった雨水を排出する事態に。
とは言え、
曲がりなりにも、私達が呑気に酒をかっくらっていられるのは、このタープのお陰である。
博多の義兄とFさんには、ファインプレー賞を進呈したい。
キャンプ最終日
朝食は私の担当。
たっぷりの野菜とオムレツ。実に健康的である。
朝飯を食ったら、皆でお世話になったタープ2基を撤収。
退出準備完了だ。
問題は、
これである。
この大量の酒の缶と瓶が入ったビニール袋を、持ち帰らないといけない事だ。
我が町内の燃えないゴミの日は数日後。
それまで自宅に置いておくしかない。
どの面下げて、これを抱えて、マンションのエレベーターに乗ればいいのだ。
恥ずかしすぎる。
「そうだ。『これは兄弟三人で二日がかりで飲んだもので、私個人でしでかした訳ではありません』って、袋に書いとこう。」
なんて、言いながら助手席の足元に置いたら、
「オジチャン。そこに置いて、もし警察に職質されたら、どう説明すんの。」(Kさん娘)
「そ、それはいかん!後ろに隠しとこう。」(私)
楽しかったキャンプが終わった。