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Tシャツとサンダルの候

文化財的大衆食堂


2台の自家用車に、それぞれリコールの通知が来ている。


「もしもーし。リコールの件やけど。いつがいい?」

「ご迷惑をかけとります。もし宜しければ、25日の11時はどうでしょう?」


元より、暇人協会理事(←んなもん無い!)の私である。

宜しく無い日などある訳無かろう。



25日の11時、

不良パーツの交換の為、ディーラーへ。

お昼少し前に作業終了である。



生憎とこの日、家内もお出かけだ。

昼飯はどこかで食って帰らねば。


さて、

何を食べよう。

どこで食べよう。

.

そうだ💡



あそこがいい。



破れたテント看板に、古いモルタル壁。

10年は経過しているであろう、黒く変色した簾。

どこを切り取っても、胸震わせる外観である。

歴史的景観として、久留米市重要文化財に指定された(←嘘だ)、

その食堂の名は、



べら安食堂だ。

1930年創業の老舗中の老舗だ。



何にしようかな。


えーっと、


よし決めた。



「オムライス頂戴。」

「へーい。」



こんな物、どこで買ったのだろう?

壁に掲げられた義士銘鑑。実にいい。

大衆食堂には、こんな不可解な飾り物がよく似合う。



「お待たせしました。」


見よ!

この無骨な姿。

そして、

洋食である筈なのに、添えられるのは容赦なく味噌汁。

大衆食堂の鉄則である。


パーフェクト!



フワトロ?

馬鹿言ってんじゃないよ。

表面ツルツル仕上げ?

おととい来やがれってんだ。

これが正しい大衆食堂の玉子の包み方なのだ。



では。


ガブ


うん。

このむせ返る様な、ケチャップ味が全て感。

いいよ、いいよ。



3分の一程食べ進んだら、ウスターソースをチョイがけする。

いつもの私のスタイルだ。



ガブガブモシャモシャ


ゴックン


ズルズルズルルー(注 味噌汁を啜る音)




ごちそうさまでした。


あー、美味しかった ❤

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