寒波が続く金曜日。
私達は久留米駅の階段を登り、新幹線乗場へ向かった。
向かった先は新八代駅。
新八代に到着したら、こんどは在来線乗場へ。
跨線橋渡ると、すでに目指すホームには、列車が到着していた。
これから私達が乗る、肥薩おれんじ鉄道《おれんじ食堂》である。
茄子紺のカラーリング。
格好いいじゃないか。
七つ星に代表される様な、潤沢な予算を使って、最初から観光列車として仕立てられたエリート車両ではない。
ありきたりの通勤車両を改造した、いわば庶民の観光列車だ。
車両の各所には、当時の名残が今も見える。
暖簾をくぐると、
1号車である。
配膳スペースと酒棚。
そのまま1号車を通り抜け、私達が予約をしている2号車へ。
2号車は、ガラッとレイアウトが変わる。
海側(向かって左)は、2人掛けのダイネット。
ゆっくり食事をしながら、不知火海の景観を楽しめる。
ここが私達のテーブルである。
通路を挟んで反対側。
ソファー席となっている。
出発だ。
オレンジの手袋で、盛大にお見送りである。
寒いのに恐縮である。
と、思いきや、
冷たい雨の中、沿線の各所で手を振ってくれる方々(犬はそっぽ向いちゃってるけど)がいる。
何だか、ほっこりとしてくるではないか。
私もこれから、観光列車を見かけたら、千切れるほど手を振るつもりである。
客室乗務員は休むことなく、乗客それぞれへの目配りと声かけ。
大したもんである。
八代駅に停車。
隣のホームに停まっていたのはくまモン列車である。
ラッピング以外は通常の通勤列車との事だが、一点だけ大きく違うのは、
ちゃんと、くまモンが座っている所だ。
請け合ってもいい。
慌ただしい通勤通学中、くまモンの隣に座れたなら、その日はきっと良い日になる。
次の停車駅は、
日奈久温泉駅である。
ここにもくまモンがいる。
くまモン大忙しである。
ここでは、日奈久名物の竹輪がふるまわれた。
不知火海の景観や、
こんな奇岩を楽しみ、
車両は水俣駅へ滑り込んだ。
ここ水俣と先ほどの日奈久温泉、それともう一つ阿久根では、
『駅マルシェ』と言う、地元特産のお土産が用意されている。
そして、
10分程の停車の後、車両に戻ると、
テーブルの景色が変わっていた。
これがこの日のメニューか。
「お待たせしました。ご注文のビールでございます。」
目の前に置かれたのは、クーポンで購った水俣の地ビール。
程なく、不知火海の海の幸をふんだんに使ったスープが運ばれてきた。
おれんじ食堂スペシャルランチの始まりである。
ワクワク o(^-^)o
続く