居間に隣接して和室がある。
我が家の中央部に位置していながら、普段は殆ど使われる事は無い。
そんな私たちの代わりに、頻繁に使用している部族がいる。
猫族である。
今では、猫部屋と化してしまったこの和室。
常時段ボール箱が置かれている件は、このブログで何度も書いている通りだ。
無論、猫どもの福利厚生の為である。
今日も今日とて、目を細め満足そうに、段ボールに埋まるウメ。
『あ~、極楽極楽 ♪』(ウメ)
数時間後・・・
箱の主は、フクに取って代わられていた。
恐らく安らかに箱に寝ていたウメの上から、強引に割り込んだのだろう。
段ボール上蓋の破れは、ここでどんな戦いが行われたのかを物語っている。
それにしても、この隙間の無さはどうだ。
お前は・・・
液体か!
戦いに敗れ、玄関マットでやさぐれるウメ。
哀愁を帯びた背中を見るにつけ、私は涙を禁じ得ない。
そして翌日。
居間でテレビを見ていると、隣の和室から、何やら騒々しい物音が頻りに聞こえてくる。
ガサゴソガサゴソ
『ニャオン』(フク)
『フニャーオ!!』(ウメ)
バリバリバリ!
・・・・・・
不意に静かになった。
「どうしたとやろか?」(家内)
「さあ?」(私)
「開けてみらんね。」
そっと、襖を開けてみた。
息を飲む光景が広がっていた。
最早、箱とすら言えぬ段ボールに、仲良く横たわる猫ども。
そこには安らぎがあった。
どうやら、激しいせめぎあいの末、ユートピア崩壊と言う事態を迎えたものの、
結果、広くなった段ボールに、二匹で横になると言う妥協点を見出したようだ。
これでよかったのだ。
何にせよ、彼らに平和が訪れたのだから。
だがな、お前達。
これって、ペットベッドでも同じじゃないか?
そこどいてくれる?
片付けるから。