あー、暑か!!
あっち行け、夏のクソ野郎!
あまりの暑さに上半身裸となり、それでも飽きたらず、口汚く喚き散らす私。
「何か着らんか。お前は中国人か!」(家内)
「えーい、もう耐えられん。俺は避暑に行ってくる。」(私)
「おう。どこぞなりと行ってしまえ。」(家内)
で、
慈恩の滝である。
この滝は瀑布の裏側を通れるのだ。
マイナスイオンと水しぶきを浴びて、思いっきり涼もう。
と、思いきや・・・
通行止めである。
滝の近くにさえ行けやしない。
滝壷の水位が上がり、通路が水没しているようだ。
私の避暑の企みは、いきなり潰えた。
いや待て。
まだ手はある。
あと少し足を伸ばせば、あそこのアレが丁度良い頃の筈だ。
九重町宝八幡宮。
紫陽花の名所である。
以前、この近くでキャンプした際にその事を知り、時期になれば行ってみたいと思っていたのだ。
思惑通り、紫陽花が見頃を迎えていた。
拝殿へ通じる石橋の両脇に立て札がある。
なるほど。
そんで、右側は、
八歩と五歩、どっちやねん!
ふん、七歩で渡っちゃる。
ベンチで弁当を広げているバアチャンがいた。
私を見るなり、いきなり、
「おじさん、オニギリ食べんね。」
どうやら私の姿が、腹を空かせた浮浪者にでも見えたらしい。
オニギリを恵んでくれるという。
ここは丁重にお断りした方がよろしかろう。
「有り難うございます。でも、今はお腹減ってませんので。」
「遠慮せんでよかよ。」
「いや、結構です。申し訳ございません。」
やれやれである。
妙見宮。
山の頂上の洞窟にあるらしく、そこから九重連山が一望と書いてある。
距離は約900mとの事。
ちょいと登ってみるか。
参道と言うより、本格的な登山道である。
なかなかの急登である。
私が履いているスニーカーは、サンダルに毛が生えたようなもの。
当然ながら、足などホールドしてはくれない。
靴底が滑るのはまだ良いとして、靴が抜けそうになるのには往生する。
何の変哲もない傾斜でも、情けないほど困難極まりない。
半分程度は、登ってきたろうか。
ここで2回目に滑って手をついた時点で、
止めた。
引き返そう。
妙見宮は次回への宿題だ。
下りも、派手に2回すっころんでしまう。
やっぱ、低山でも山は舐めちゃいかんね。
何とか神社まで降りてきた。
汗びっしょりである。
ん?
何しに家を出たんだっけ?
車に戻り、何気なくインパネに目をやると・・・
40℃!
ったく。
アチーー!