成田を飛び立った飛行機の中でトーダルが言った。
「今まであちこち外国へ行ったことがあるけど、飛行機を1日で3回も乗り継いだことはないよ。」
今までトーダルが行ったことのある国の中で日本が一番遠いのだから、確かにそうなる。
「こういうのが、世界的に有名なスーパースターのライフスタイルだね。でさ、3月3日に出発して到着するのも3月3日ってことは、すごく長い1日になるんだ。」
と笑っていた。
「今日は僕の人生の中で一番長い日だよ。」
飛行機の中ではトーダルは往路と同じようにウイスキーを飲みながら、読書と執筆と映画鑑賞をしていた。
またイギリスのコメディー映画を見ながら笑っているトーダルをと横目で見ながら、私はトーダルが言った「世界的スーパースター」のことを考えていた。
他にもプロモーションビデオが機内で見ることができたので、トーダルに言った。
「自分の作品のプロモーションビデオ作ったら? それで、それをMTVで流して、ヒットしたらあっと言う間に世界的に有名になれるよ。」
トーダルは以前、PVを作っていたが、最近は全く作っていない。(ユニセフ創立60年記念アルバム「子守歌」収録曲のPVには、山猫役で出演しているが・・・。)
この質問に対し、トーダルは
「そのとおりだと思うんだけど、PVを作る時間がない。それよりアルバムを作ったり、コンサートをしないと・・・。」
と答えた。それで
「じゃあ、ベラルーシフィルム(ベラルーシの国立映画スタジオ)が映画作るときに、俳優として出演したら? そういうオファーってきてないの? 歌手が俳優デビューするのはよくあることだし。(演技力があるかどうかは別として!)ミュージカル『預言者』を降板するまでは、演技指導とか受けたでしょ? 映画デビューもできるんじゃない? ただ、そういう話がベラルーシフィルム側からこないと、出演できないけど・・・。で、出演した映画がアカデミー賞なんか取ったりすると、君もすぐに世界的に有名になれるよ。」
と話したら、笑っていた。しかし、ベラルーシフィルムも最近は、ちゃんとした映画を製作していないし、できるだけの予算がなさそうだ。(というようなベラルーシ映画事情はトーダルもよく知っている。)
だから、こう言ってみた。
「そうだ! ベラルーシフィルムのオファーなんかのんびり待ってても仕方ないよ! 自分で映画をつくればいいんだ! 監督も主演も自分ですればすぐに映画デビューできるじゃないか。」
するとトーダルは右手を差し出し
「ちょうど同じことを考えていたんだよ!」
握手した後、トーダルは執筆ノートを広げて
「監督、主演、脚本、音楽担当。」
と書いた。
「そう! 短い作品でいいんだ。低予算でもいい作品はできる。」
「うん、たくさんのお金なんかいらないでしょ? だって、第2次世界大戦ものや歴史映画を撮るわけじゃないんだし。それより、もっと現代を生きているベラルーシ人の生き様が分かる作品を作ってよ。」
と注文しておいた。
本当にトーダルが映画を作ったら、私が日本語字幕をつけますよ。
ようやくウイーンに到着。
トーダルは乗り換えのための待ち時間の間、ウイーン在住のベラルーシ人ジャーナリストからさっそくインタビューを受けることになっており、空港からウイーン市内へ移動。
そのときのインタビューの内容については「トーダル初来日・ベラルーシのマスコミのインタビュー記事 1」をご覧ください。
その間私はウイーンの空港で寝ていた。
出発時間1時間前にトーダルは空港に戻ってきた。トーダルは
「有名なウイーンのオペラハウスを見たよ。」
と大喜び。
そして免税店でウイスキーを購入した。
「ミンスクに到着したら、これで乾杯する。」
と言っていた。
本日3回目のフライト。でも、もうすぐミンスクだ。心配なのはギターだけ。
このとき乗った飛行機ではマーサ一家3人は前の席に、トーダルは後ろの席で、ベラルーシ人のお姉さんとインド人ビジネスマンに挟まれて座った。
インド人ビジネスマンはロシア語は分からなかったが、英語はできたので、トーダルはさっそくお姉さんにロシア語で、インド人には英語で日本の話をし始めた。
「とにかく日本の料理はすっごくおいしくて、特に海の幸が・・・ぺらぺらぺら・・・イン ジャパン ベリーベリーナイス!!!・・・」
とミンスクに到着するまで、しゃべりまくっていた。(^^;)
こうしてミンスクに到着。問題のギターは・・・
画像のようにプチプチでくるまれた状態で出てきたが、そのプチプチがあちこち破れていた。
しかし、中身は大丈夫なようす・・・。ああ、よかったあ・・・
それにしても、ミンスクに着いたとたん、鳴り始めるトーダルの携帯。さっそく1週間後の3月10日に出発するフランスでの公演について、担当者から電話がかかってきて、
「さっきミンスクに到着しましたから・・・」
と話すトーダル。ああ、いつもの超多忙生活が再スタートされた。日本では旅もゆっくりできてよかったね、トーダル。
空港の建物を出て、友人の迎えの車がくるまでの間、トーダルはウイスキーを開けた。
それをはちの子で除く3人で飲んで乾杯した。トーダルははちの子を抱き上げて「好きになったよ、はちの子ちゃん!」
とキスをし、それからミンスクの夜空に向かって日本語で叫んだ。
「アリガトゴザイマシタア・・・!!!」
(これで終わりだと思ったら間違い。)
「今まであちこち外国へ行ったことがあるけど、飛行機を1日で3回も乗り継いだことはないよ。」
今までトーダルが行ったことのある国の中で日本が一番遠いのだから、確かにそうなる。
「こういうのが、世界的に有名なスーパースターのライフスタイルだね。でさ、3月3日に出発して到着するのも3月3日ってことは、すごく長い1日になるんだ。」
と笑っていた。
「今日は僕の人生の中で一番長い日だよ。」
飛行機の中ではトーダルは往路と同じようにウイスキーを飲みながら、読書と執筆と映画鑑賞をしていた。
またイギリスのコメディー映画を見ながら笑っているトーダルをと横目で見ながら、私はトーダルが言った「世界的スーパースター」のことを考えていた。
他にもプロモーションビデオが機内で見ることができたので、トーダルに言った。
「自分の作品のプロモーションビデオ作ったら? それで、それをMTVで流して、ヒットしたらあっと言う間に世界的に有名になれるよ。」
トーダルは以前、PVを作っていたが、最近は全く作っていない。(ユニセフ創立60年記念アルバム「子守歌」収録曲のPVには、山猫役で出演しているが・・・。)
この質問に対し、トーダルは
「そのとおりだと思うんだけど、PVを作る時間がない。それよりアルバムを作ったり、コンサートをしないと・・・。」
と答えた。それで
「じゃあ、ベラルーシフィルム(ベラルーシの国立映画スタジオ)が映画作るときに、俳優として出演したら? そういうオファーってきてないの? 歌手が俳優デビューするのはよくあることだし。(演技力があるかどうかは別として!)ミュージカル『預言者』を降板するまでは、演技指導とか受けたでしょ? 映画デビューもできるんじゃない? ただ、そういう話がベラルーシフィルム側からこないと、出演できないけど・・・。で、出演した映画がアカデミー賞なんか取ったりすると、君もすぐに世界的に有名になれるよ。」
と話したら、笑っていた。しかし、ベラルーシフィルムも最近は、ちゃんとした映画を製作していないし、できるだけの予算がなさそうだ。(というようなベラルーシ映画事情はトーダルもよく知っている。)
だから、こう言ってみた。
「そうだ! ベラルーシフィルムのオファーなんかのんびり待ってても仕方ないよ! 自分で映画をつくればいいんだ! 監督も主演も自分ですればすぐに映画デビューできるじゃないか。」
するとトーダルは右手を差し出し
「ちょうど同じことを考えていたんだよ!」
握手した後、トーダルは執筆ノートを広げて
「監督、主演、脚本、音楽担当。」
と書いた。
「そう! 短い作品でいいんだ。低予算でもいい作品はできる。」
「うん、たくさんのお金なんかいらないでしょ? だって、第2次世界大戦ものや歴史映画を撮るわけじゃないんだし。それより、もっと現代を生きているベラルーシ人の生き様が分かる作品を作ってよ。」
と注文しておいた。
本当にトーダルが映画を作ったら、私が日本語字幕をつけますよ。
ようやくウイーンに到着。
トーダルは乗り換えのための待ち時間の間、ウイーン在住のベラルーシ人ジャーナリストからさっそくインタビューを受けることになっており、空港からウイーン市内へ移動。
そのときのインタビューの内容については「トーダル初来日・ベラルーシのマスコミのインタビュー記事 1」をご覧ください。
その間私はウイーンの空港で寝ていた。
出発時間1時間前にトーダルは空港に戻ってきた。トーダルは
「有名なウイーンのオペラハウスを見たよ。」
と大喜び。
そして免税店でウイスキーを購入した。
「ミンスクに到着したら、これで乾杯する。」
と言っていた。
本日3回目のフライト。でも、もうすぐミンスクだ。心配なのはギターだけ。
このとき乗った飛行機ではマーサ一家3人は前の席に、トーダルは後ろの席で、ベラルーシ人のお姉さんとインド人ビジネスマンに挟まれて座った。
インド人ビジネスマンはロシア語は分からなかったが、英語はできたので、トーダルはさっそくお姉さんにロシア語で、インド人には英語で日本の話をし始めた。
「とにかく日本の料理はすっごくおいしくて、特に海の幸が・・・ぺらぺらぺら・・・イン ジャパン ベリーベリーナイス!!!・・・」
とミンスクに到着するまで、しゃべりまくっていた。(^^;)
こうしてミンスクに到着。問題のギターは・・・
画像のようにプチプチでくるまれた状態で出てきたが、そのプチプチがあちこち破れていた。
しかし、中身は大丈夫なようす・・・。ああ、よかったあ・・・
それにしても、ミンスクに着いたとたん、鳴り始めるトーダルの携帯。さっそく1週間後の3月10日に出発するフランスでの公演について、担当者から電話がかかってきて、
「さっきミンスクに到着しましたから・・・」
と話すトーダル。ああ、いつもの超多忙生活が再スタートされた。日本では旅もゆっくりできてよかったね、トーダル。
空港の建物を出て、友人の迎えの車がくるまでの間、トーダルはウイスキーを開けた。
それをはちの子で除く3人で飲んで乾杯した。トーダルははちの子を抱き上げて「好きになったよ、はちの子ちゃん!」
とキスをし、それからミンスクの夜空に向かって日本語で叫んだ。
「アリガトゴザイマシタア・・・!!!」
(これで終わりだと思ったら間違い。)