MotoGPクラスのオフィシャルテストはセパン・インターナショナル・サーキットで1月31日~2月2日までの3日間行われ、ケーシー・ストーナーがトップタイムをマーク。今年初テストを制した。
初日を背中の痛みでキャンセルしたケーシーは2日目の今年初走行で1番時計を記録した。1ラップ目から2分00秒台を刻むと、ブリヂストンタイヤとショックのテストを中心にテストプログラムを進め合計21ラップを周回。2分00秒台を4回記録した。
2ラップ目には、2009年にヴァレンティーノが樹立したサーキットベストラップ(2分00秒518)を0.911秒上回る1分59秒607を記録しただけでなく当地で開催された昨年2月の2度目のテストで非公式ながら記録したトップタイム(1分59秒665)も更新した。
今シーズンもケーシーの強さは継続ですかね?
ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのホルヘ・ロレンソは、オフィシャルテスト3日目最日に2番手に浮上。ベン・スピースは4番手だった。
ファクトリーライダーの両雄はポテンシャルを最大限に引き出す目的でシャーシのバランスと電子制御のプログラムに取り組むと同時にブリヂストンタイヤのテストにも着手。
プライベート勢の最高位は8エクトル・バルベラ。2分01秒台を1度突破して6番手に進出すると35カル・クラッチロー、アンドレア・ドビツィオーソ、アルバロ・バウティスタ、ニッキー・ヘイデンが続いた。
ヤマハは上位8台にファクトリーとサテライトの4台すべてが入る良い結果を得ることができた。ドヴツィオーゾにとって今回のテストは新マシンへの信頼感を見出すための根本的なものでありまた、1月初めに手術した肩の具合を試す意味もある。
テストライダーの中須賀克行を昨年に続いて召集。
1日目には8番手に入るパフォーマンスを見せた。
中須賀は今シーズンも全日本JSBに参戦するが今年はタイヤをDLからBSにスイッチするらしい。
そして注目のヴァレンティーノ
agvの新しいヘルメット?
後頭部にもスポイラーが装備されていて空気抵抗を考えての設計か?
まだ正式なものでないらしき多くの走行時間をシッチのデザインを取り入れてヘルメットで走行。
昨年の最終戦でかぶってたヤツだろう。
ドカティは新設計のGP12。
新しい設計コンセプトらしいが、MotoGPの解説でおなじみ宮城さんは「彼らは一環して自分達のやりたいことをやっている!けっして日本のメーカーの真似をしてフレームを作っていない。」といっておりました。
ツインチューブに見えるがツインチューブではないらしいフレーム。
ドゥカティ・チームのバレンティーノ・ロッシはオフィシャルテスト最終日に5番時計を記録。トップ5入りすればニッキー・ヘイデンは肩の痛みに耐えながら、3日間連続の10番時計を刻んだ。
2日目7番手のロッシは最多周回となる42ラップを走行して2分00秒台を2回2分01秒台を12回記録。トップから1.217秒差、2番手から0.626秒差の5番手に再浮上した。
ニッキーの右側のハンドルについてるのMoto2でグレシーニのモリワキについてたのと同じ?混戦で他車にブレーキレバーが引っかからないようにするものだったかと・・・
CRTクラスで台数が増えてスタート時の混戦を予想しての装備かなぁ?
ヴァレは3日間で合計129ラップを周回した後
「チームみんなが今回のテストに喜んでいる。特に今日の展開に。2分00秒8。まともなラップタイムから始まった。2台のホンダと2台のヤマハは、僕たちの前にいるけど、今回のテストが出発点だと考える。」
とかなり上機嫌。
サテライト勢のバルベラも総合6番手とドカティも仕上がりはよさそう。
そして、いまだアイデンティティ模索中のカテゴリーであるモト2クラスの現チャンピオンのステファン・ブラドルは期待の新人。
ブラドル選手は今シーズン、ルーチョ・チェッキネッロ率いいるLCRチームから参戦しておりこの『最高峰クラス見習い期間』で歩みを進めているのだ…多少のミスを犯しつつも。例えばスリップ転倒とか…。お陰様でケガは無し。
ブラドルがドイツ人だと言うことが、実はドルナのマーケッティング眼をキラキラと輝かせているのである…つまり、『メイド・イン・ジャーマン』のスポンサーを引っ張ってこれないものかと。
いろんな思惑がドルナにもあるんですなぁ~
いち早くCRTクラスのテストを始めたフォワード・レーシングチームとコーリン・エドワーズ。
スッターBMW機は以前より改良を重ね、いまだ本格的な走行テストを行なっていないCRTチームに比べれば優勢ではあるが、なおざりにはできない限界点があることを同選手みずからが語っている。
「マシンのポテンシャルは高いんですが、残念ながら限界付きでね。65%しかそれを活用できないんですよ。理由は電子制御システムにあって…今まで僕が使い慣れてたのを思うと、最低ラインでも比較のしようがなくてね。アクセルリリースやトラクションコントロールなんかに関しては、いまだ沖の荒波を漂ってるって感じかな。これまで『ボッシュ』や『マニエッティ・マレリ』って扱ったことがないんだけど、ヘレス・テストにはそこからスタッフが2名参加してくれてね。次のセパン・テストに向けて僕が出したリクエストは全部叶えてくれたそうですが。」
また、CRT機がどんなリズムで走るのか…持ち堪えることができるのか…予選ではどんなタイムを出してくるのか…エドワーズ選手でもいまだ予測がつかないのだと。
「電系システムなり他の面で制限されると言うなら、レースで僕らは僕らの作業に集中するしかないと言うことでね。僕は限界ギリギリまでマシンをプッシュする気持ちで飛び出しますよ。それではどうなるかは、お楽しみってことで。具体的な数字としてはね、2分03〜02秒なら心底満足ってとこかな。可能かどうか?後はどうなるか、もうお楽しみ…ってだけですよ。」
「一番の理想を言わせてもらうならね、あらゆる面から自分の思った通りの改良をした250馬力マシンって言うなら、CRT機もある種のトラックを走らせたなら世間をアッと言わせられるんじゃないかな。今、抱いている疑問はただ一つ…望むような改良が全て為されるかどうか…でね。改良の中で成長し、限界ギリギリまでマシンをプッシュできるようになったなら、僕らは競り合ってゆけると思いますよ。そう言う段階まで行ったなら、そうですね、トラックによってはCRT機は世間をアッと言わせられると思いますね。」
これは少々、理想主義的な発言と言う感もあるが。市販1000ccエンジンがモトGPワークスのそれに追いつくことなどできるものだろうか。
エドワーズ選手は勝てる状態になりたがってはいるが、エンジンのパワーや回転数の限界を思えばモトGP機とCRT機のギャップが縮まると言うのはかなり複雑に思えるのだが。特に、いまだCRTがどうなるのか分かっていない作業スタッフらは…。
「ワークスの方に制限をかけては不公平かって?何と答えていいものやら。モトGPクラスに必要なのはもっと見応えのある競合いレースなわけで。それを実現するのがいまだに一番の問題であってね。」
CRTについてはホンダの中本氏がテスト前のワークスプレゼンテーションでまったく興味がない趣旨のコメントをしている。記事全文を引用。
ホンダが勝てるマシンのプロジェクトをねじ曲げたくなかったとしても当然の話なのだが、どちらかと言うと今回の1000cc導入のレギュレーション変更に適応させ、同時に改善すべく作業したと言った風で、中本氏も、
「基本コンセプトは昨年と同じです。当然、シャーシもエンジンも変えてますけどね。」と言いながら、ホンダ新GP機については多くを語りたくないようで、
「まぁ、去年のに比べて排気量が増え、4ストロークなんだってことはお知らせできますが。」と笑って見せた。
実を言えば、昨年11月にヴァレンシアで行なわれたテストでは、士気を鼓舞するような結果が出ている。
「おそらくセパンでは800ccで出したタイムを越えられると思っています。それが、どのぐらいかと言うのは難しいところですが。その点では最高速度と最大加速が助けになるだろうし、コーナーでもそれほど旧マシンとかけ離れたものにはなってません。」
また、モトGPにおけるホンダの尽力も投資も止むことはなく、トップに返り咲き、今度はそこに留まることを望んでいるのだ。
「つぎ込まれた投資は重要ですし、今年のようにレギュレーション変更で全企画を練り直さなければならないシーズンは特にそうですね。
現在、最小限の改良にも新たなテストが義務づけられていて、最低限の重量増加とかの…今年は157kgになったんですが…ありがちな変更もそうですから。つまりは、金がかかってくるってことですよ。」
この不況の中、何年か前のように予算も底なしと言うわけにはいかず、中本氏のコメントの行間を読むならば、レギュレーションを頻繁に変えないでくれと言うところ。また、ドルナCEOのカルメロ・エスペレータ氏が2013年に向けて希望している展望に関しては反対とも。
「その話題に関しては…待ってましたと言うところですかね。モトGPの将来については気にかかってるんでね。」としながらも、ある点に関し妥協の余地はなしと。
「CRT機だけで世界選手権を開催するんですか?ホンダにとっては何ら興味もなくなるでしょうね。」
だからと言って、CRTを不合格としているわけではない。ただ、まだまだ成長する必要があり、特に、プロトタイプマシンの存在意義を問うべきではないと。
「CRT案をくだらないと言っているのではなく、ただ現在、プロトタイプに比べてギャップがあり過ぎるでしょ。そのギャップは、今の今までプロトタイプに乗ってきた選手らも負うこととなるんです。直接の経験から言うなら、鈴鹿サーキットでうちの秋吉テストドライバーがCRTスーパーバイクに乗ってみたところ、RC212V機の時より1秒遅かったんですよ。ヴァレンシアでは5〜6秒以上の差になってましたね。」
中本氏は予想をあえて口にせず、また、ドゥカティが再び勝つことを目指して重ねてきた尽力についてもノーコメントながら、フィリッポ・プレツィオージ氏(ドゥカティのチーフエンジニア)がこなしてきた多くの実験についても驚くことはないと言う。
「今、隣に座っているダニ・ペドロサ選手に聞いてもらっても良いんですが、うちも2010年には6回シャーシを変えましたから。それも全部シーズン中にね。」
そして、明日、コースに降り立つこととなる新1000cc機については、
「うちがセパンでテストするマシンは、基本的にヴァレンシアで最後にテストしたものと同じです。弱冠の違い程度でね。ケーシーとダニは2台ずつ走らせる予定です。1台は11月にヴァレンシアで走らせたので、もう1台は彼らからのリクエストでシャーシを若干改良したものです。」
当然ですがこの内容は他のサイトからの引用を多用しております(汗
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