日々思うこと

日々の暮らしの中で、心に留めた様々な思いを、書き込みます。

30分の命

2007-12-04 23:25:33 | Weblog
 今日は、以前仕事の上でかかわったMちゃんを思って書いた詩を掲載してみます。                      平成15年4月4日
    Mちゃん
    その、大きな瞳で なにがみえるの?
    その、かわいい口で 何を話したいの?
    ママに抱っこして 気持よさそうだね。
    30分経ったら 吸引してくれる・・・ママ
    また・・・30分  次も30ぷん
    ずっと吸引で命を繋いでいる。 Mちゃん。
    頑張れ! 頑張れ! 30分・・・頑張れ!


初めてMちゃんのお宅に伺った時、Mちゃんはお母さんの膝の上で 気持よさそうに眠っていた。いや、眠っているのではなく、そうしなければ ベッドから離れる方法がないのだ…ということに気がついたのは、母親が立ち上がりなれた手つきで
喉もとの吸引を始めた時だった。父親手製の木製のベッドは、さまざまな器具を使い易く設置できるように工夫されていて、両親の愛をいっぱいもらって30分の命を繋いでいる・・・そう思った。
30分の合間を縫って、母親はほかの兄弟のためにパンを作る。障害児をもったことで授業参観にも行ってあげられない申し訳なさと、少しみじめな自分の心を慰める、一番好きな時間なのだと彼女は言った。「当たり前だ」と思っていた何気ない毎日が、なんだか無性にいとおしく感じられたその日だった。

*昨年新聞のお悔やみ欄で彼女が 神の元へ旅たったことを知った。9年間の生涯は、多くの人たちに何を教え、学ばせてくれたのだろうか?彼女は、何を見て、何を伝えたかったのだろうか?私が障害児にかかわった初めての出会いだったMちゃん。ノートの一ページに記していました。