おはようございます。
母娘の京都・奈良旅。
本日は、母が昔語りをしてくれた奈良・猿沢池についてです。
どうぞ、おつきあいくださいませ。
猿沢池は、奈良公園にある、周囲360mの池です。
興福寺の放生池だったとか・・・
放生池(ホウジョウチ)とは、捕らえた魚類などを放してやる池のこと、
慈悲の心を示すため、お寺にあるのでしょうね。
(以下、翌朝の散歩にて)
母は、三条通から、この池が見えるなり、大はしゃぎ・・・
・・・というのも・・・
80代の母は、その昔、中学校三年の修学旅行で、やってきていました。
今から半世紀以上、70年近く前のことです。
それが、修学旅行の、フツ~の想い出話ではありませんw
みんながはしゃぐ中、母は、どうにも元気が出ない・・・
ひとり、ぼ~っと、池のほとりにある、木にもたれ
水面を眺めていたのだとか。
その翌日、吉野の宿で、母は高熱を出しました。
修学旅行最終日ゆえ、皆が横浜に戻る中、
母は、宿に残ることになったのです。
「美術の先生が、一緒に残ってくれてね・・・
おでこを冷やしたり、タオルで汗を拭いてくれたり・・・
看病してくれたの。」
数日後、熱が引き、先生に連れられて帰ると、
電車の着いた横浜駅には、
同級生や先生方が、大勢、迎えに来てくださったのだとか。
「もう、大騒ぎで・・・みんなが集まってくれてねぇ・・・。
ああ、心配をかけたんだなぁって・・・」
70年も前、少女の母がもたれていた木は、どれだったのか・・・
今も、池のほとりにあるのかすら、わかりませんが・・・
母は、ずっと、あの頃の面影を探しているようでした。
(お宿の部屋から興福寺五重塔のライトアップを眺める)
余談ながら・・・
数年後、高校の修学旅行で、北海道に出かけると、
他のクラスが乗っていたバスが事故に遭い、
母は新聞社の取材を受けたのだそうです。
とんでもないお騒がせ学年!
学校はハラハラされたことでせう・・・w
(左手がお宿、正面が猿沢池)
あれから70年近く・・・
今回、80代の母のお泊まりは、
猿沢池が見下ろせる、小さな宿でした。
母が、喜んだのは申すまでもございません・・・♫
このお宿は、とても素晴らしく、
またぜひ、お世話になりたいと思っております。
お宿については、いずれまた・・・どうぞ、お立ち寄り下さいませ。
本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。