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『羊と鋼の森』を読み返す

2021-09-05 | おとなのピアノ
おはようございます。
本日はピアノと本について・・・
どうぞ、おつきあいくださいませ。


最近、ドビュッシー「前奏曲~『ベルガマスク組曲』」が
少し曲らしくなってきたなぁと・・・
自分の演奏の動画を撮ってみました。

・・・なんじゃ、こりゃりゃ!?

あぜん、ぼ~ぜん。

もっと、丁寧に練習しようと、あらためて決意した次第でございますw


(文春文庫版の書影)


ピアノと本といえば、本屋大賞受賞に映画化と、
一躍有名になった、宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)。

発売当時、「宮下さんの新刊♫」と、
わたしも、すぐに読んで、大興奮したものです。

先ほど、ちょこちょこと拾い読みしただけなのに・・・
調律師の青年の物語は、今読んでも、「ウン、ウン♫」と
大きくうなずけ、目の奥が熱くなりました。



「ピアノに出会って以来、僕は記憶の中から
いくつもの美しいものを発見した」19頁
祖母がつくってくれたミルク紅茶、泣き叫ぶ赤ん坊の皺、裸の木・・・

「ピアノが、どこかに溶けている美しいものを取り出して
耳に届く形にできる奇跡だとしたら、
僕はよろこんでそのしもべになろう」20頁

そう決意するだけあって、
小説では、彼の出会うピアノの音色が、さまざまに表現されていきます。



以下は、とりわけ、わたしの好きな描写の引用です。

「山で暮らしていた頃、不思議なものを見た...
楡の木の細かい枝にさざめくような光が宿り、それがきらきらと輝いている。
...まぼろしの祝祭のようだった木の輝き。」177頁

誰のピアノから連想されたのかは、伏せておきますねw



わたしのピアノは、
どなたかに聴いていただきたくて弾いているのではないけれど・・・

「どこかに溶けている美しいもの」を感じていけたら、
わたし自身が、ものすごく幸せ・・・


(冒頭画像も単行本版の書影。私も持っています。
好きな本は、やっぱり持っていないとね♫)


トシのせいで感性も鈍ってきたのよねなどと、
言い訳をしそうな昨今だからこそ・・・
美しいものを美しいと、記憶できる引き出しを増やしていきたいなぁ・・・

ピアノは、きっと、大きな力になってくれるはずと信じます。

・・・ということで、
まずは、ドビュッシーさん、よろしくお願い申し上げますw


皆様、本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。

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書影は、わたしの中の想い出の宮下奈都・小説を選んでみました。
エッセイや共著ではなく、宮下さんの新作小説を読みたいなぁ・・・

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