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箱根・早雲寺へ~戦国乱世を想う

2022-02-03 | おでかけ
おはようございます。
本日は箱根・早雲寺(臨済宗)について、
どうぞ、おつきあいくださいませ。


小田原城から、車で10分ほど走れば、もう箱根。

この機会に、早雲寺も、ぜひお参りしたかったのです。
ハマッ子ゆえ、子どもの頃から、箱根は来ていますが、
早雲寺は、初めてです。ああ、なんと北条家に失礼な!

(ご注意!ここでいう北条家は戦国時代の小田原北条家、後北条家です。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条家ではありません)


(本堂の公開は期間限定。普段は小動物が入るからと閉ざされている)


というのは、早雲寺は、北条早雲こと伊勢宗瑞、
すなわち小田原・北条家の初代を開基に
二代・北条氏綱が建立(大永元/1521年)した、北条家の菩提寺だからです。

小田原北条家時代の早雲寺は、
京都・大徳寺から僧を招き、都の文化を伝えました。
また、連歌師・宗祇や千利休の弟子・山上宗二ゆかりの地でした。


(小田原攻めの際、豊臣秀吉が使ったとされる鐘の下がる鐘楼)


それゆえか、豊臣秀吉の小田原合戦の際には
石橋山一夜城が完成するまで、秀吉の陣が置かれていたとされます。
その後、まもなく北条家は滅び、早雲寺も焼失。

時を経て、約60年後、江戸時代の慶安元(1648)年
小田原北条家の一族である狭山藩北条氏や玉縄北条氏、
早雲寺住持や末寺によって復興されました。



境内にある、北条家五代の墓にお参りすると・・・
かたわらに自然石の碑がありました。

どうやら、氏直と督姫との間の子どもで、
88歳で亡くなった人物の碑のようです。

・・・誰のこと?

天正18(1590)年、小田原北条家が豊臣秀吉に降伏。
4代・北条氏政、その弟・氏照(八王子城主)は切腹させられました。



一方、小田原北条家、最後の当主・氏直は、
「家康の娘婿のため助命され、高野山へ追放」(136頁)となりました。
その後、赦免され、秀吉の旗本家臣として大坂へ移住します。

ところが、小田原落城から、わずか一年半ほどで、
疱瘡を煩い、30歳の若さで亡くなりました。

この氏直と徳川家康・次女、督姫とのあいだには、
娘が二人いたとされています。

どこにも、男子の記述はありません・・・


(早雲の末子で、北条家の長老、北条宗哲<幻庵>によるとされる?枯山水の庭も)


Wikipediaによると・・・

北条氏直の嫡男として、北条氏次なる人物がいたそうで・・・
石碑は、その子孫を名乗る、幕末の仙台藩士・桑島政貫によって
明治23(1890)年に建てられたとありました。

この氏次は、出家して「安清」と号したとも・・・

ただし、Wikipediaの記述でも、「その実在は極めて疑わしい」とあり、
小田原北条家研究の第一人者、黒田基樹先生の
『戦国北条家一族事典』(戎光祥出版)には、全く触れられていません。




う~ん。

それでも、北条家五代の墓のすぐ脇に、
全く無関係の人物の石碑を建てさせるだろうか・・・
何か事情があるのではないか・・・

石田三成の子孫が、関ヶ原以後、遠く津軽に落ち延びたり、
真田信繁の子が仙台で生きながらえたりの例もあり・・・
もしかしたら、もしかするかもしれませんw

そう考えた方が、ワクワクします♫



さて、小田原城天守閣特別展「没後450年 北条氏康伝」でも、
当時の小田原が文化的に洗練された街であったことが
資料によって明らかだとされていました。

また、神奈川神奈川県立歴史博物館での
「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」や
受講したセミナーからも、小田原の高い文化に感動しています。


(早雲寺の裏、早雲寺公園には、スダジイ、ウラジロガシ などの自然林の
森が広がる)


令和の今、戦国時代の北条氏と早雲寺の足跡を追えるのは
早雲寺の復興に尽力した、近世早雲寺関係者のおかげとのこと。
ありがたいことです。

それだけ名高い小田原・北条家・・・
さすれば、明治の世に、子孫を名乗る人の想いもわかるような・・・




戦国時代どころか、明治の世も、はるか遠く・・・
それだけに、歴史の面白さは尽きないのでございます。

本日もおつきあいいただき、どうもありがとうございました。

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📷「北条家五代の墓」の撮影は、控えました。

📚参考:
◆神奈川県立歴史博物館「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の
  遺産と系譜-」図録
◆黒田基樹『戦国北条家一族事典』(戎光祥出版)
  本文中の引用は、この本からしています。

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