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おはようございます。
本日は桜木紫乃『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』(角川書店)に
ついての感想文です。
おつきあいいただければ嬉しいです。
(以下、「ブクログ~由々と本棚~」と同じ内容です。
お許しあれ)
読み終わって・・・
人間って、こんな風に生きていけるんだと、不思議な気分。
キャバレーの雑用係でハタチの主人公・章介は、
ショーのタレントと同居することになり・・・
キャバレーの雑用係でハタチの主人公・章介は、
ショーのタレントと同居することになり・・・
次第に変わっていって・・・という、いわば成長小説。
このタレントがすごい。
このタレントがすごい。
タイトル通りに並べれば、
師匠はマジシャン、ブルーボーイはシャンソン歌手のソコ・シャネル、
ストリッパーは自称28歳ながら大年増のひとみ・・・
ストリッパーは自称28歳ながら大年増のひとみ・・・
みんな冴えない雰囲気なのに、実は、すごい芸の持ち主。
しかも、それぞれに苦労人だから、腹が据わっていて、あたたかだ。
わたしなんて、章介にゴハンを食べさせたり、
しかも、それぞれに苦労人だから、腹が据わっていて、あたたかだ。
わたしなんて、章介にゴハンを食べさせたり、
服を買ってやったりするたびに、
いちいち「あなたの生活は大丈夫なの?」と危ぶんでしまうw
いちいち「あなたの生活は大丈夫なの?」と危ぶんでしまうw
だって、三人は旅館代を節約のため、
章介のいるおんぼろ寮に泊まっているわけでしょ?
それでも、なんとかなっちゃうもんなんだなぁ・・・
あとから気づいたけれど、時代は昭和。
それでも、なんとかなっちゃうもんなんだなぁ・・・
あとから気づいたけれど、時代は昭和。
これから、おそらくバブルを迎えるらしく・・・
イケイケ、だもんね。
イケイケ、だもんね。
コロナ禍で、ど~んと世界中が暗くなっている令和とは違うね。
・・・う~ん・・・
この三人なら、コロナ禍の今でも、
絶対に章介を見捨てないだろう・・・
人としての器量というか、オトナのかっこよさ。
それが、この小説の最大の魅力ではなかろうか。
桜木紫乃氏・・・
「ホテルローヤル」で直木賞を受賞したときの
マスコミの取り上げ方もあったのだろうけれど・・・
ちょっと手の出なかった作家さん。もう十年以上経つのに・・・w
マスコミの取り上げ方もあったのだろうけれど・・・
ちょっと手の出なかった作家さん。もう十年以上経つのに・・・w
男女の機微や、設定する世界に
私が抱いていた「桜木紫乃らしさ」を見るのだけれど、
本書では、それがユーモアに包まれて、良い感じ。
一方で、女性の一面がぐっさりくる場面は
一方で、女性の一面がぐっさりくる場面は
デパートのシーンが忘れられず。
これも、女性の描き方として生々しく、
私の勝手な「桜木紫乃らしさ」。
「昼間の百貨店で外食を楽しむ女たちは、
品の良さを装い相づちを打つふりをしながらも、
苦労話に自慢をまぶしてなにやら面倒そうだ」189頁
その通りだと思う。
女友達とランチをすると、こんな感じになることがあり、
落ち込むことも、しばしば。
これだったのか、と膝を叩く。
(章介も同じ行動をして、あら大変w)
さすがの観察眼。
本来だったら、絶対に読まなかった本書。
拝読しているブロガーさんが、今年度のベスト3として
挙げていらしたから、めぐりあえた。感謝。
ちょうどテレビでは
本来だったら、絶対に読まなかった本書。
拝読しているブロガーさんが、今年度のベスト3として
挙げていらしたから、めぐりあえた。感謝。
ちょうどテレビでは
暮れの今、舞台となった釧路の雪模様を映していた。
正月に、章介が三人と歩いたのは、
こんな日だったのかもしれないと、
つい、その姿を探してしまった。
つい、その姿を探してしまった。
・・・読み終えてしばらく経ってもなお、その世界がよぎる・・・
わたしにとっての「良書」の証。
おそらく、小説としては、今年最後の本。
「良書」に出会えて良かった。
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本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。
今年も残すところ、あと2日。
我が家は、本日、買い出しと餅つきの予定です。