おはようございます。
本日は、寺地はるな『声の在りか』(KADOKAWA)の感想文、
どうぞ、おつきあいくださいませ。
あらすじは・・・
生まれ育った街で結婚し、今、小学校4年生の子育てをする希和。
思いがけず、パート仕事がなくなり、
新しくできた「アフタースクール鐘」(民間学童)で働き始める・・・
街中で何かとウワサされるそこは、
同級生の理恵ちゃんの、問題視されてきた弟・要が
開いた場所だった・・・
「アフタースクール鐘」で働き、要のまっすぐな言動に触れ、
いつのまにか、自分が「あいまいに生き」流されてきたことに気づく・・・
そして・・・
・・・というお話。
主人公は、30代半ばといったところでしょう。
読んでいて、とにかく息苦しい・・・
ママ友との付合いを含め、希和の生活は、息が詰まりそう・・・
夫との関係では、全て言葉を呑み込む希和がまどろっこしい・・・
どんどん、心が重たくなります・・・
ちょうど、わたし自身、考えたくない不安があって、
小説の世界に逃げ込もうと、読み始めていました。
それなのに、これでは逆効果!
止めよう、もう止めよう・・・と何度も思いながらも・・・
希和が懸命に考え、答えを探そうともがく姿が誠実で、
そして、ほんのちょっと、心がほわっと温まる瞬間が必ずあって・・・・
気づけば、一気読みでしたw
30代の希和の母親世代にあたるわたしも、
生きにくさや息苦しさを感じることは、やっぱり同じで・・・
コロナ禍ゆえか、それはさらに強くなっているようです。
それでもなお、必死に生きる希和に、心あたたかくなっています。
一方で、小説の最終章は、今の現実につながるだけに、
希和のこれからについて考えさせられたのでした。
本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。
関東も、ようやく梅雨入り・・・
不順な折、どうぞ、皆様、お気を付けてお過ごし下さいませ。
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拙ブログには、読んだ本の一部だけをアップしていますが、
ブクログ「由々と本棚」は、読み終わった本を収めています。
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