12・8・17
お前もがんばれ!
「あいつはチョッと調子がいいらしい…」
ヤクザも見逃さなかったのです。
間断なくヤクザに追われ、
「あいつはチョッと調子がいいらしい…」
ヤクザの事務所に連れて行かれました。
親分に向かって、
私は儲けようと思って始めた不動産会社、
見込み違いがあって倒産し、
皆に迷惑をかけて、申し訳ないと思っています。
あなた方だって私を通じて儲けよとした商売、
見込み違いで儲けそこなった。
お互い、見込み違いは五分と五分、じゃないですか…。
どうしてこんなセリフが思いついか、不思議です。
普通だったら、
「ナニ!この野郎!」と一括されます。
ところが、ヤクザの親分は腕組みして考え込んでいるのです。
組んでいた腕を解いて、両ひざに乗せ、
「ヨシ!ワカッタ!」と2回繰り返して、
「コッチの手は一切引く!お前も頑張れ!」
ヤクザにはヤクザのネットワークがあって情報交換し、役割分担がある。
コッチの手…は、そうしたネットワーク一切合財から解放されたのです。
悩まされ続けたヤクザとの関わりが呆気なく断ち切れたのです。
一段落して間もなく、膠原病を発症、半年入院生活を送っているのです。
20年ほど前のことです。
どうして私がヤクザから解放されたのか、疑問に思っていました。
幸田露伴の「五重塔」を丸ごと書き写したことで、
「もしかしたら、こういうことかな…」と思われることがあります。
びっくりです