12・7・15
潜勢力 能力について
絵や俳句、短歌の入門書の多くは、
キャッチセールスの勧誘じゃやありませんが、
歯の浮くようなねこなで声で
こうすれば絵が描けます、俳句が詠めますと説く入門書が多い。
「ああすれば描ける、こうすれば詠める!」
確かにその通りなのですが、
歯の浮くようなねこなで声が気に入りません。
本来描ける、詠める。だが、
描けない、詠めないと思い込んでいる、そこが問題です。
「体力を付けようと思って……」
元中学校長先生の言葉に感じるものがありました。
平成3年、天風会夏の修練会のあと、毎朝一連の体操を実行することで秋口、
「アレ!」と思えるような変化を感じました。
「もしかすると、本来は丈夫なのだ……」と思いました。
体力を付けよう、として始めたのではありません。
「オレの本来は丈夫なのだ……」と思いましたが体力が付いた、とは考えませんでした。
「体力を付けようと思って……」
元中学校長先生の言葉に触発され、
天風師の教える6つの力は獲得できる力、と考えました。
能力はどうか、
やはり訓練的に獲得できる力でしょう。
私の場合ですと水原秋桜子の歳時記の季語の説明文から、
いいと思ったフレーズ、積極的にいい、と思わなくても気になるフレーズ……
そんなフレーズを書きぬくという作業を通じて言葉を変えたり、入れ替えたりして
7,8通りのはがき文は苦にしないで書けた。
やがて丸ごと書き写す、ということをやるわけですが、
具体的な作業を通じ、手順?を踏むことで、
はがき文を書くという能力を獲得した、と云えます。
書き写すことだったら出来る、入れ替えることなら出来る。
不足を補おうとして思いを巡らす、
すでに具体的、集中的に思いを巡らせている。
創作活動を開始している。
想像する創作する、ある種の創造的能力を訓練して鍛えているのです。
極めて現実的、具体的な手順を繰り返すことで何かを書く能力を獲得できる。