12・11・4
かぼちゃの絵
養護老人施設に入居するお年寄りに
差し上げるはがきの文章は精々4,5行です。
空いたスペースを何かで埋めようとして知恵を絞りました。
最初はきれいな絵柄の紙を切って貼る。
鎌ケ谷市の広報、封筒に木立のカットが使われている。
図柄も簡単、と云うところに目をつけ
木立の葉の部分と木の部分を
色違いの紙を切って貼りつける。
図柄、絵柄を使い、
はがきをカードとしてみる見方に変わっていった。
「かぼちゃの絵だったら描けそう・・・」と云って
西村さんがホワイトボードにかぼちゃの絵を
「こんなふうに…こんなふうに…」と云いながら
かぼちゃを描きました。みんなも
「こんなふうに…こんなふうに…」と云いながら
一緒にかぼちゃの絵を描きました。
みんなかぼちゃの絵が描けたのです。
かぼちゃの絵が描けて、
みんな絵が描けるようになったのです。
「絵なんて描ける訳がない・・・」とか、
「描けたらいいなァ」程度の思いがあった。
だが、それ以上には誰も踏み出さない。
「かぼちゃだったら描けそう・・・」
「こんなふうに、こんなふうに・・・」
心のバリアがアッサリ払拭された。
かぼちゃが描けたのだから、ナスもキュウリも…
頑なに思い込んでいたバリアに風穴を開けると、
新たな世界が広がってきます。
人が絵を描く、それを真似て絵を描く、
絵を見て絵を描く。
モチーフを見て描くのではない、
そこに深い意味がありそうなのです。