12・10・2
毎朝地下の売店で新聞を買うのが日課だった。
その日も
何時ものように新聞を買ってベッドの上で読んでいた。
囲み記事で「今日は啓蟄の日」とある。
土中深く 冬を耐えていた虫たちは
春の気配を感じて 蠢きだす日
春を感じて…春を感じて…
何だかうれしくなった。
氷ついたような私の運命も遠くの方で
コツッ、コツッとゆっくりと
微かな、微かな足音が聞こえた。
強くなりたい
強くなりたい
本当に強くなりたかった
病が詩に至る出発点だった。
12・10・2
毎朝地下の売店で新聞を買うのが日課だった。
その日も
何時ものように新聞を買ってベッドの上で読んでいた。
囲み記事で「今日は啓蟄の日」とある。
土中深く 冬を耐えていた虫たちは
春の気配を感じて 蠢きだす日
春を感じて…春を感じて…
何だかうれしくなった。
氷ついたような私の運命も遠くの方で
コツッ、コツッとゆっくりと
微かな、微かな足音が聞こえた。
強くなりたい
強くなりたい
本当に強くなりたかった
病が詩に至る出発点だった。