五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

守衛さん、小使いさん、校番さん等々の言葉について

2011-06-06 03:29:35 | 五高の歴史
我々の時代の人たちであれば小学校、中学校の時代には小遣いさん、校番さん、守衛さん等々の言葉については馴染みがあるのではなかろうか。
これら名称は、使丁としてかつては俗語として「小使い」「小使いさん」などの呼称も一般的に用いられていたが、差別的な意味合いがあると見る向きも多く、すべて .用務員・用務員室に統一され昭和30年代以降から 学校から「小使いさん・小使い室」が消え、「用務員さん・用務員室」になっている。しかし昭和50年代に入るとこの用務員という制度、(現業的仕事の人)予算(人件費)の削減、定員の不補充が叫ばれ、民間の各種会社、警備会社、清掃会社等の充実によりいわゆる官公庁の機関に置いては外注と言う制度が幅をきかしている、かっての国公立の学校からは小使い、守衛、警備,園丁等々の現業職員は全く姿を消してしまった。(kaminokawa)

明治二十年五高開校時の門衛、(守衛さん)の門衛勤務心得を転載する
門衛勤務心得
第一条 門衛は寄宿生徒及び外来人の出入り取締の為設けるものとす
第二条 門の扉は日の出に開き日没に半は閉じ午後一〇時全く閉鎖すべし
第三条 寄宿生徒の外出する時は鑑札を受取り級別に掛け置き帰舎の節之を本人へ渡すべし
但し平日は午後第七時休業日の前日は午後第十時を過ぎて帰舎せるものある時は遅刻者の鑑札を直ちに舎監に差し出すべし
第四条 寄宿生徒及び外来人門出する時物品を携するは舎監の門出証を請取り物品と照合し不  
都合なきものに限り門出せしむるものとす
第五条 外来人は総て姓名を記し置くべし


同じ時に制定された小使い勤務心得を転載する
小遣い勤務心得
第1条 小遣いは職員の命を受け諸般の使役に従事すべし
第2条 教場その他校舎内外を朝夕掃除し不潔するざる様注意すべし
第3条 器具、器械の諸物品は丁寧に取扱うべし
第4条 非常近火等の節は当直の指揮に従い諸事労力すべし