~ 惟茂少しも騒ぎ給わず 南無や八幡大菩薩と 心に念じ ~
『平惟茂戸隠山に悪鬼を退治す図』
(たいらのこれもち とがくしやまに あっきをたいじす ず)
大蘇芳年筆
平惟茂(たいらのこれもち)は平安時代中期の武将
鬼女紅葉伝説
時の帝の勅命を受け信州戸隠山に住む鬼女の成敗に向かった
中納言平惟茂主従は、人里離れた戸隠山中で紅葉狩の宴を催す
美しい女性たちと出会い、酒宴に加わるように勧められる。
この女性たちこそ戸隠山の鬼女であり、酒を呑ませ惟茂の命を狙おうと企んでいた。
美女の舞に酔い、盃を重ね深い眠りに落ちた時
夢に八幡大菩薩の神勅を伝える白狐が現れ
女の正体は戸隠山の鬼女であることを告げ神剣を授ける
我に返った惟茂はその神剣を抜いて、激しい戦いの末
みごと鬼女紅葉姫を退治した。