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オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

新形三十六怪撰より 「葛の葉きつね童子にわかるゝの図」

2018-09-29 | 新形三十六怪撰

~ 恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉 

『葛の葉きつね童子にわかるゝの図』

(くずのはきつね どうじに わかるるの ず)

 大蘇芳年筆

 

葛の葉伝説

時は千年余り前、摂津国・阿倍野の里に住んでいた安倍保名(あべのやすな)は

父の代に没落した家の再興を願い、信太森葛葉稲荷に日参していた。

ある日のこと、稲荷の境内で、保名は数人の狩人に追われた一匹の

白狐を助けたが、その際手傷を負ってその場に倒れてしまった。

命を助けられた白狐は、葛の葉という美しい女性に化け

保名を介抱して家まで送りとどけ、その後も保名を何度も見舞った。

やがて互いの心が通じ合い、夫婦になり童子丸という子供をもうけた。

しかし、その子が五歳のとき、ふとしたことから葛の葉の正体が

狐であることが露見して、障子に「恋しくば」の歌を書いて

泣く泣く信太の森へ帰っていったという。

その時、残された童子丸が後の陰陽師・安倍晴明だと伝わる。

出典元:神使像めぐり*余話