~ 普天のもと、王土にあらずということなし ~
『小早川隆景彦山ノ天狗問答之図』
(こばやかわたかかげ ひこさんの てんぐもんどうの ず)
大蘇芳年筆
小早川隆景(こばやかわたかかげ)は戦国時代~安土桃山時代の武将
秀吉の命により九州の彦山から木材を切り出そうとした隆景の前に現れた天狗と
隆景(スリットの向こうに見える人物)のやりとりを描いています
山伏は隆景に向かって 「この山の木々は、千年以上も切られたことのない
神木である、それを切り出し軍船に仕立てるとは何事か。天下に名高き仁将である
小早川隆景殿がそのような悪逆無道をするとはどうしたことか」 と言った。
隆景は、山伏の異様な外見を見て即座に「これは天狗だな」と見抜いていた
そこで隆景は怖じた様子も見せずに 「確かに、この隆景が私利私欲のために
神木を切るというのであれば、非難されても仕方がない。
だがこれは天子様の代行である関白秀吉殿のご命令であり
私はその奉行として罷り出でたのだ。
山伏殿こそ神木如きにこだわって、公儀を蔑ろにしているではないか
それこそが無道に値しないのか」 と切り返した。
対する山伏(彦山天狗)は隆景に反論することができず
霞のように消え去ったという。
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