帰宅してドアを開けようとする・・・・・・・
鍵がかかっている。当然だ。出くてるときに鍵をかけて出たのだから。
でも、ふとまだあの頃の習慣が残っていて、ドアの鍵は開いているものだと思い込み、ドアノブに手をかける。
開かないドアに、鼻の奥がつんとする・・・・・
洗濯する回数が減った・・・・
自分の仕事の公休日、三日か四日に一度洗濯すれば十分な汚れもの・・・・・・・
あの頃は祥一郎がほぼ毎日洗濯機をまわしていた。
古い洗濯機のゴトンゴトンという音・・・・・二人の生活の音・・・・・
テーブルの上が雑然となっている。
二人で居た頃は、食事をとるスペースを確保して、整理していたのに・・・・・・
風呂の汚れが溜まっている・・・・・・
祥一郎は二日に一回ほど風呂掃除をしてくれていた。
いつも快適で清潔な浴室・・・・・今はもう・・・・・・・・・・
祥一郎の乗っていた自転車。
もう錆びるにまかせて、ブレーキも片方効かなくなっている。
フレームの錆が切ない、もう誰も乗ることも無い自転車・・・・
マンション入り口のポストに書いた、祥一郎の名前が、もう消えかかっている。
勿論私の名前も。
でも私だけがまだ住んでいる・・・・・・・・・
整理ダンスの引き戸を開けると、祥一郎の張ったかわいいシールがあちこちに。
しかし小物で溢れかえっていた箪笥の中は、空っぽだ・・・・・・・
壁掛け時計の秒針の、コチコチという音が妙に部屋中に響く・・・・・
あの頃は気にする事も無かったのに、そのコチコチいう音が、私の心を震わせる・・・・・
そして・・・・・・話声、会話する声が無くなった部屋・・・・・
聞こえるのは、「うううううううううう・・・・・」「わああああああああああ・・・・・・・」「くううううううう・・・・」という泣いている声だけ。
「祥一郎おおおおおおおおおお・・・・・・・・」という声も。
何もかも変わってしまった・・・・・・・・・・・
それでも世の中は、この世は、たかがゲイカップルの一人が亡くなったからといって、何の影響も無く流れ、移ろって行く。
私はぽつんとそれに取り残され、溢れかえる情報に耳を塞ぎ、涙の海に溺れて絶えてしまうのを待っている。
いつまでも・・・・・・・・
鍵がかかっている。当然だ。出くてるときに鍵をかけて出たのだから。
でも、ふとまだあの頃の習慣が残っていて、ドアの鍵は開いているものだと思い込み、ドアノブに手をかける。
開かないドアに、鼻の奥がつんとする・・・・・
洗濯する回数が減った・・・・
自分の仕事の公休日、三日か四日に一度洗濯すれば十分な汚れもの・・・・・・・
あの頃は祥一郎がほぼ毎日洗濯機をまわしていた。
古い洗濯機のゴトンゴトンという音・・・・・二人の生活の音・・・・・
テーブルの上が雑然となっている。
二人で居た頃は、食事をとるスペースを確保して、整理していたのに・・・・・・
風呂の汚れが溜まっている・・・・・・
祥一郎は二日に一回ほど風呂掃除をしてくれていた。
いつも快適で清潔な浴室・・・・・今はもう・・・・・・・・・・
祥一郎の乗っていた自転車。
もう錆びるにまかせて、ブレーキも片方効かなくなっている。
フレームの錆が切ない、もう誰も乗ることも無い自転車・・・・
マンション入り口のポストに書いた、祥一郎の名前が、もう消えかかっている。
勿論私の名前も。
でも私だけがまだ住んでいる・・・・・・・・・
整理ダンスの引き戸を開けると、祥一郎の張ったかわいいシールがあちこちに。
しかし小物で溢れかえっていた箪笥の中は、空っぽだ・・・・・・・
壁掛け時計の秒針の、コチコチという音が妙に部屋中に響く・・・・・
あの頃は気にする事も無かったのに、そのコチコチいう音が、私の心を震わせる・・・・・
そして・・・・・・話声、会話する声が無くなった部屋・・・・・
聞こえるのは、「うううううううううう・・・・・」「わああああああああああ・・・・・・・」「くううううううう・・・・」という泣いている声だけ。
「祥一郎おおおおおおおおおお・・・・・・・・」という声も。
何もかも変わってしまった・・・・・・・・・・・
それでも世の中は、この世は、たかがゲイカップルの一人が亡くなったからといって、何の影響も無く流れ、移ろって行く。
私はぽつんとそれに取り残され、溢れかえる情報に耳を塞ぎ、涙の海に溺れて絶えてしまうのを待っている。
いつまでも・・・・・・・・
私はコリアンだとはいえ、日本生まれ日本育ちですから、貴女の悲しみは私のそれ以上かもしれません。
どうか感情を溜め込むことなく、可能なことをやってください。どんなことでもかまいません。こうして人に話すのもいいでしょう。何もしないことが一番いけません。私がブログを始めたのも何かしていないと気がおかしくなってしまうかもしれないからです。
異国の地でそんなことになってしまって、筆舌に尽くしがたい悲しみと喪失感があることでしょう。頑張ってとはとても言えませんが、どうぞいつか少しでも光が見えると信じて、可能な限りお互いに生きていきましょう。