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思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

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黄金の三日間

2018年12月12日 | 教育
一つ一つの行為に対して真剣に準備する

 学年の始まり,最初の3日間は「黄金の3日間」と呼ばれる。その3日間のうちに学
級の組織作りをすることが,その1年間を決めるとも言われているためである。
 これは,特別支援学校でも同様である。特別支援学校では緩やかな発達の中に子ど
も達の成長を見ていく。3日間はゆっくり過ごしがちであるが,そこで教師の気持ち
を伝え,学級の形や流れを見せていくことは,見通しを持ちづらい子ども達にとって
重要だからだ。

 以下は小学部(小学生)の実践である。

1 前日までの準備

 迎える備えはここから始まる。

 ① 名前テープ貼り

 ビニールテープに書き,イス,タオルかけ,歯ブラシ賭け,ロッカー,下駄箱,雑
巾かけなどにつける。

 ② 児童名掲示

 ラシャ紙いっぱいに6名の名前を書き,お花紙を飾って廊下に掲示。

 ③ スクールバス迎え担当きめ朝,どの子を誰が迎えるか決める

 車椅子の児童,バスを降りるとすぐに走り出してしまう児童など,支援の体制をと
る。

 ④ 連絡帳・朝と帰りの会・給食介助の担当決め

 ⑤ 学年・クラス名簿作り

   4月はじめの保健関係の提出物をチェックするために,早急に必要。

 ⑥ 児童のファイルチェック

   児童のファイルをよく読む。児童の名前と顔を一致させるのは基本である。

 ⑦ 第1日目のシュミレーション

   最初の出会いでなんと声をかけようか,また,1日どう過ごすか。自分なりに
  目標を持つ。

2 第1日目

 まずは「出会い」を印象付けたい。

 そのために,

 ① 花を飾る

 ② 黒板にメッセージを書く

ということを行った。メッセージには,言葉「おはようございます。楽しい1年にし
よう!」・絵(笑っている先生の似顔絵)をかき,中央に昨年使っていた児童の名
前写真カードを並べた。

子ども達がスクールバスから降りてくる。笑顔で「おはよう」と声をかける。「おは
よう」と子どもが言ったら,すかさず,「すごいね。ちゃんとあいさつができるんだ
ね。さすが。」とほめる。
 次に下駄箱を教える。「ここが新しい靴入れだよ。自分でちゃんと上履きに履き替
えられるかな。」と声をかけ,できたらすかさずほめちぎる。
 一つ一つ子どもの動きを逃さず,声をかけていくことが,一緒にがんばっていこう
というメッセージにつながる。

3 第2日目


 ① クラスの目標を決める

 子ども達に「クラスの目標は何がよいか」,とただ聞いてもなかなか出てこない。
素直に一人ひとり,「何をがんばりたいか」聞いて,つなげていき,全員の目標を作
る。「たいいく」「ずこう」と出たので,話し合う中で「走ったり,作ったり,一生
懸命がんばるクラス」となった。

 ② 係りを決める

 知的障害のある子ども達にとって,「自分の役割を決める」ということはきわめて
重要である。自分の明確な役割を理解し,自分でできるようになることは,自立のま
ず第一歩となる。一人ひとりの実態に合わせた役割をみいだし,与えたい。

4 第3日目


 3日目には楽しい授業を行いたい。このときにはまず音楽を行った。

 ① リズム運動
 ② 手遊び
 ③ ふれあい遊び
 ④ バルーン遊び

簡単にでき,友達同士のかかわりがあるものを重視した。

 そして体育を行った。

 ① 去年のダンス
 ② 新しいダンス
 ③ 音楽に合わせて歩く,走る運動 

 去年のものを入れてすぐにでき,また,運動の基本となる歩く,走る力も見ていっ
た。

 一つ一つの行為に対して,真剣に準備をし取り組むことで,子ども達も動き出し,
教師も意欲が高まった。最初の3日間を全力で取り組むこと,それが1年間の方向を決
めていく。


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