(有)村田牧場通信

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【セプテンバーセール】№142クラシックスの2021(牝 父ヘニーヒューズ)

2022年09月14日 | セール上場馬

今回は、前回のアルレガーロの2021につづき、セプテンバーセールに上場を予定している当場生産馬の№142クラシックスの2021(牝 父ヘニーヒューズ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文についてはこちらからご参照ください。

 

 

 

【9月7日現在】体高151cm 胸囲180cm 管囲18.7cm 馬体重448kg

 

 

本馬も、アルレガーロの2021と同じく町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

牝馬らしい敏感さと、ヘニーヒューズ産駒らしい力強い馬体を併せ持つ馬です。

体高が標準より一回り小さくてまとまった馬体に見せますが、牝馬にしては力強い馬体をしている分、馬体重はしっかりと乗っています。

本馬の母クラシックスはJRA入着があるも勝ち切れず、その後に南関東で2勝しました。

血統的には、当場生産馬でJRA重賞4勝のディープボンドの母であるゼフィランサスと全きょうだいの関係になります。

ただ、ゼフィランサスが現役時に430~440kg台で競馬した一方で、クラシックスは470kg台で競馬しているように、馬体的にはクラシックスのほうが馬格があります。

ゼフィランサスの仔のなかでは、ディープボンドの半兄ダンケシェーンがJRAで3勝しているのですが、その彼がヘニーヒューズ産駒なので本馬の配合の参考にしました。

 

 

同じ父であり、それぞれの母が全きょうだいの関係なので、ダンケシェーンと本馬は血統構成的には同血と言えるレベルの配合です。

ダンケシェーンの配合を考えるときもそうでしたが、この配合が血統的に相性が良いと考える最大の理由は、ヘニーヒューズの2代父であるStorm Catとクラシックスの2代母モガミポイントによる、Storm Cat≒モガミポイントの相似クロスにあります。





それぞれの父系がStorm Bird≒Nijinskyという相似クロスを形成する関係にあり、また母方のSecretariat≒ボールドラッドにも相似クロスの関係があります。

結果として、Storm Catとモガミポイントは血統的親和性が非常に高い関係にあると言えます。

実際、モガミポイントの血を引くモガミヒメの牝系はStorm Catの血を持つ種牡馬と相性が良く、JRAではダンケシェーンのほかにもディープボンドやJRAダート3勝のアヴォンリーなどがいます。

また、ヘニーヒューズの父はヘネシーですが、この血はクラシックスの2代父ダンシングブレーヴと血統的に相似な関係にあります。



互いにNorthern Dancerを持ち、Secretariat≒Sir Gaylordの近親クロスの関係があり、さらにはTom Cat≒Cap and Bellsという4分の3同血クロス(父がTom Foolで母父がMahmoud)があります。

ヘニーヒューズ×クラシックスの配合については、さらに遠い世代においてもBusher≒BusandaやWar Relic≒Eight Thirtyなど、ダートの活躍馬に見られるような血統パターンをしています。

父ヘニーヒューズの種牡馬としてのダート実績、あるいは本馬の血統パターンから察しても、ダートの短めの距離が本馬の距離適性になりそうです。

 

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

 

 


【セプテンバーセール】№99アルレガーロの2021(牝 父ローレルゲレイロ)

2022年09月13日 | セール上場馬

今年のセプテンバーセールでは、9月20日の第1日目に当場生産馬を2頭上場する予定になっています。

今回は、そのうちの1頭である№99アルレガーロの2021を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高152cm 胸囲177cm 管囲19.0cm 馬体重439kg

 

 

現在は同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母アルレガーロは、これまで本馬のほかに父ローレルゲレイロの全きょうだいを2頭産んでいます。

全兄ハディア(現5歳)はJRAのダートで1勝、障害で1勝の計2勝を挙げています。

現在は休養から帰厩していて、鞍上のアドバイスもあり、障害から一度平場のダート戦に戻してみる予定で進めています。

また、1つ上の全姉セザンディーヴァは南関東に所属していて、2戦目のダート1200で2着馬に4馬身差を付けて勝ち上がっています。

父のローレルゲレイロは、当場生産馬として短距離G1を2勝してくれました。

種牡馬としては、ダートのリステッドを2勝している現役OP馬アイオライトや、準OP勝ちの実績があるアイライン、さらに地方重賞勝ち馬のシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。

 





上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

ローレルゲレイロが持つこの血統パターンを本馬の代でも生かすために、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless NotionのうちHaloを4×4でクロスさせています。

また、ローレルゲレイロの代で一度プールされたNijinskyクロスを、本馬の代で再びクロスさせる配合にしました。

ローレルゲレイロの血統については、彼の3代母モガミポイントがアルレガーロの持つStorm Catの血と相似クロスを形成する関係にあります。






それぞれの父系であるNijinskyとStorm Birdは、いずれもNorthern Dancer×Bull Page系牝馬の組み合わせです。

また、モガミポイントの母父ボールドラッドUSAとStorm Catの母父Secretariatは、いずれもBold Ruler×Princequillo牝馬という4分の3同血クロスを形成します。

母のアルレガーロに目を向けると、彼女自身はスペシャルウィーク産駒ですが、どちらかというと母系のスピードが勝ったようなしっかりとした馬体で、スペシャルウィークの伸びのある馬体とは少し異なります。

産駒の代になれば、もしかするとスペシャルウィークの体型を産駒に伝えるかと思いましたが、ここまでの産駒の出来を見ると、母アルレガーロより種牡馬の馬体の影響を受けている産駒が多い印象です。

本馬、そして全きょうだいのハディアやセザンディーヴァも、馬体的に父似の雰囲気があります。

そのアルレガーロの父スペシャルウィークですが、ローレルゲレイロの父キングヘイローと共通祖先を持つ関係です。





いずれの血脈もHaloやNorthern Dancer、Buckpasserを持つ点で共通しています。

本馬の血統パターンは、多くの相似クロスを持った血統をしていて、それが競走馬として長所になると信じて何度も試してきた配合です。

現在のところ、全きょうだいのハディアはJRAで、セザンディーヴァは南関東で勝ち上がっているので、本馬も競走馬としてしっかりと勝ちあがってくれることを期待しています。

 

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

 

 

 


【サマーセール】上場馬3頭をご購買いただきました

2022年08月26日 | セール上場馬

8月25日、サマーセール第4日目に当場から4頭の1歳馬を上場しました。

そのうち、№797キタサンテンビーの2021(牝、父トビーズコーナー)は伊藤良兵さまにご購買いただきました。

№836ガーリッシュハートの2021(牡、父モーニン)は(有)キタジョファームさまにご購買いただきました。

№897ハーランズワンダーの2021(牝、父マジェスティックウォリアー)は小林祥晃さまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

各馬とも早速今後の予定が決まってきていて、彼らはそれぞれの未来に向かって頑張っていくことになります。

馬主様のご期待に添えるように、当場としてもできる限り丈夫に育てたつもりではあるので、あとはこの先も無事に順調に行ってほしいと願っています。

セール上場を終えてホッとしたこともあり、今朝は第5日目の比較展示を見学しようとセリ場の正面玄関から入ったら、重賞勝ち馬たちのパネルが並んでいました。

そのなかには、当場生産のセール上場馬として重賞を勝ってくれた現役馬5頭のパネルも飾ってあったので、思わず記念写真を撮影させてもらいました。

 

 

改めて、当該セールにてご購買くださった馬主様ならびに関係者の皆さま重賞制覇おめでとうございます。

彼らが当場生産馬であることを誇りに感じますし、また当場にて一緒に頑張ってくれているスタッフさんに改めて感謝いたします。

 

 

 


【サマーセール】№897ハーランズワンダーの2021(牝 父マジェスティックウォリアー)

2022年08月21日 | セール上場馬

当場からサマーセールへ上場予定の1歳馬4頭のうち、最後に紹介させていただくのは№897ハーランズワンダーの2021(牝、父マジェスティックウォリアー)です。

本馬はサマーセール4日目の8月25日に上場予定です。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

 

【8月13日現在】体高153cm 胸囲181cm 管囲18.8cm 馬体重468kg

 

 

本馬は、セリ馴致をお願いするために地元の育成公社さんに預かってもらっています。

母ハーランズワンダーは小柄な馬体でしたが、本馬は母の同時期より大きな馬体をしています。

小柄な繁殖牝馬に対して馬格のある種牡馬を種付するのはセオリーとも言える配合であり、本馬の場合においても、父マジェスティックウォリアーが立派な馬格をしている種牡馬なのでハーランズワンダーと配合した経緯があります。

また本馬は、牝馬にしては筋肉量が豊富で馬体重も十分にあって、これは母が小柄ながらも北米血脈らしい筋肉質の馬体であり、さらにそこに北米血脈の父を配合することで両親のダート向きの体質を受け継いだ結果でしょう。

加えて、A.P.Indy系種牡馬らしい父の馬体の伸びも程よく受け継ぐことで、本馬は体高だけでなく母以上に伸びもある馬体に成長しそうです。

父マジェスティックウォリアーの上位活躍馬には、交流G1勝ち馬のベストウォーリアやG2東海S勝ち馬エアルマスなど、Mr.Prospectorクロスを持つ産駒が多いという特徴があります。

本馬の母ハーワンズワンダーはMr.Prospector4×5を持ち、さらにそのMr.Prospectorの3/4同血であるMarshua's Dancerの血が6代目に位置しているので、本馬の血統はマジェスティックウォリアー産駒の成功パターンに該当します。


 

父マジェスティックウォリアーの血統的特徴という点では、彼自身が持つ名馬Secretariatのインブリード3×4が挙げられるでしょう。

Secretariatの血は柔軟性のあるスピードや高い心肺機能を伝えるイメージがありますが、本馬の2代母で米G1で2着しているハーランズルビーもまたSecretariat5×5のクロスを持っています。

 

 

また、これはSecretariatの血を絡めた組み合わせになりますが、マジェスティックウォリアーの2代母で米G1勝ち馬Spinning Roundと、母ハーランズワンダーが持つ名種牡馬Storm Catの血を組み合わせた相似クロスも意識しました。

このSpinning Round≒Storm Catによる相似クロスは、当場生産馬で今年の新馬戦を勝ったバグラダス(父マジェスティックウォリアー)の配合でも用いています。

 

 

どちらの血脈も2代父がNorthern Dancerであり、母父がSecretariatである点で共通しています。

母ハーランズワンダーがG2日経新春杯勝ち馬で当場生産馬のモズベッロの半姉であることからも、血統的にご注目いただいているようで、預託先の育成公社さんからも下見のお客さんが多いと伺っております。

本馬も含めて、当場から上場する1歳馬4頭に是非ご注目ください。

なお、本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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【サマーセール】№863タイセイアヴァンセの2021(牡 父ロジユニヴァース)

2022年08月20日 | セール上場馬

当場からのサマーセール上場馬の3頭目として紹介させたいただくのは、№863タイセイアヴァンセの2021(牡、父ロジユニヴァース)です。

本馬はサマーセール4日目の8月25日に上場予定です。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

【8月13日現在】体高155cm 胸囲170cm 管囲20.0cm 馬体重415kg

 

 

本馬は、セリ馴致をお願いするために地元の育成公社さんに預かってもらっています。

本馬の母タイセイアヴァンセは重賞4勝馬ディープボンドの半姉にあたりますが、半弟とは異なりそれほど馬格はありません。

JRAで16戦して残念ながら勝ち上がることはできなかったものの、芝2000と2200、2600で3着しているようにあともう少しのところでした。

それほど大きくない繁殖牝馬なので、初仔の父となる種牡馬はある程度馬格のある種牡馬が望ましいと考えて、ロジユニヴァースを種付して本馬が誕生しました。

本馬は初仔となりますが、馬体的な幼さは残っているものの、体高が155cmあるように当場の狙い通りの馬格サイズに生まれてくれたと思っています。

ロジユニヴァースの産駒数は多くはないものの、JRAでの勝ち上がり率は34%(8月19日現在)であるように、勝ち上がりの数字としては悪くありません。

血統的には、本馬の父ロジユニヴァースの母方にあるGreen Desert(英G1ジュライC)と、本馬の母タイセイアヴァンセが持つShareef Dancer(愛G1愛ダービー)及びダンシングブレーヴ(欧州年度代表馬)による相似クロスを意識しました。

 

 

Green Desert≒Shareef Dancerの関係で言えば、父系がいずれもNorthern Dancer系であるのに対して、母父が2頭ともSir Ivorである点で共通しています。

また、Green Desert≒ダンシングブレーヴの相似クロスという観点では、こちらもNorthern Dancer系×Sir Gaylord系の組み合わせです。

さらに言及すると、本馬の父ロジユニヴァースが持っていたHalo≒Sir Ivorの相似クロスを本馬の代でもHaloとSir Ivorをクロスで持つことで継続しつつ、本馬の代では新たにDroneを加えてHalo≒Sir Ivor≒Droneの相似クロスによるトライアングルを形成しています。

 

 

この3つの血脈はTurn-to、Pharamond、MahmoudそしてSir Gallahad=Bull Dogを持つ点で共通していて、血統的な親和性が高い関係にあります。

実際、Halo≒Sir Ivor≒Droneはタイセイアヴァンセの母父キングヘイローの血統内で作られている組み合わせであり、そのキングヘイローがG1勝ち馬になっている点からもこの相似クロスの有効性は高いと考えています。

 

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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