サマーセールには当場の1歳馬のなかから4頭の上場を予定していますが、今回は№836ガーリッシュハートの2021を紹介させていただきます。
なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。
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【8月17日現在】体高156cm 胸囲173cm 管囲20.4cm 馬体重420kg
本馬は今年5月に両飛節OCDの除去手術を受けていて、セリ馴致の預託をお願いするにはタイミングが合わないと判断して、今回の4頭上場のうち本馬だけ当場にてセリ馴致中です。
当場にてセリ馴致する場合は、他馬とともに昼夜放牧しながら馴致をしていて、本馬も昼夜放牧をしながら引き運動、もしくはウォーキングマシンで運動させています。
もともと飼い食いは問題ないレベルですし、整歯もしているのですが、暑い時期を迎えていることもあり馬体重のほうはそれほど増えていません。
それでもモーニン産駒らしく骨格がしっかりとしているので、涼しい時期を迎えると自然と馬体重も乗ってくるでしょう。
モーニン産駒については気性的に勝った馬が多いと聞いていますが、本馬は普段のなかではそういう面を感じません。
両飛節OCD手術を経験して、一頭でパドック放牧をするなど他馬と引き離されるなかで、気性的に大人びてきた印象です。
暑い時期なので疲れもあると思いますが、精神的な成長を促す意味でのセリ馴致という観点では、ここまで順調に来ていると言えます。
本馬の父モーニンは、自身の父ヘニーヒューズの後継種牡馬として、父と同じ優駿スタリオンにて種牡馬として繫養中です。
供用初年度の2020年は190頭、2021年は178頭の繁殖牝馬に種付したように、ヘニーヒューズの後継種牡馬としてはアジアエクスプレスと双璧をなす人気種牡馬です。
種付料が値上がりした今年も相当数の種付頭数をこなしたようで、馬産地におけるモーニンへの期待度が窺い知れます。
初年度産駒は本馬を含めた現1歳世代であり、総じて気の強い面があるのはヘニーヒューズ系らしいと言えますし、ヘニーヒューズ産駒より馬格がある馬が多いのはアジアエクスプレス産駒と似ているとも言えます。
前述したように、本馬の場合はOCD手術を経験したことで気性的に大人びて普段からどっしりとしていますが、モーニン産駒らしい気の強さは潜在的に持っています。
モーニン自身の血統に関して言及すると、同じヘニーヒューズ産駒でG1勝ち馬であるアジアエクスプレスと共通点があり、それは母方にCozzeneの血が入っていることです。
Cozzeneは有名なNasrullah/Princequilloのニックを持つ血脈で、さらに同様の血統背景を持つSir Gaylordの血も内包しています。
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また、彼の父ヘニーヒューズもNasrullah/Princequilloのニックから成るSecretariatの血を持つので、柔軟性のあるスピードを伝えるこのニックの影響を受けてかモーニンもG1フェブラリーSをレコードタイムで勝っています。
このモーニンの血統的特徴を活かすために、同様のニックから成るSir GaylordやMill Reefの血を持つガーリッシュハートと配合して本馬が誕生しました。
さらに言及すると、本馬の配合ではStorm Cat≒AlzaoやStorm Cat≒ラストタイクーンという組み合わせも意識しています。
Storm Catはモーニンの3代父で、Alzaoはガーリッシュハートの母父、そしてラストタイクーンもガーリッシュハートの母方に存在する血です。
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Storm Cat、Alzaoそしてラストタイクーンの3者とも2代父がNorthern Dancerです。
また、母方にNasrullah/Princequilloのニックから成るSecretariatやMill Reefを、もしくはそれに準じたSir Gaylordを持つ点でも共通しています。
このほかの血統的特徴として、当場ではヘニーヒューズ系の種牡馬に対してHaloの血を持つ繁殖牝馬としばしば配合するのですが、その配合パターンを本馬の配合でも用いました。
先日のG3エルムSを制したフルデプスリーダー、また現在JRAの3勝クラスで頑張っているダンケシェーンとメディーヴァルもこの配合パターンから生まれています。
この配合では、ヘニーヒューズ内のTom CatとHaloの母Cosmahによる組み合わせが生じます。
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いずれも父系がPharamondに遡り、母父がMahmoudという血統を持つ点で共通しています。
母ガーリッシュハートが芝1800で勝ち上がってるとはいえ、本馬はヘニーヒューズ系モーニンの産駒ということでダート適性が高い血統だと捉えています。
モーニン産駒の出来は総じて良いと聞いていますし、サマーセールにおいても同産駒に注目が集まると思うので、そのなかで本馬にも是非ご注目いただきたいです。
本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)
当場から折り返し連絡させていただきます。
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