天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

3/6国立文楽劇場 立川志の輔独演会

2011年03月06日 | 落語
今日(3/6)国立文楽劇場で催された、立川志の輔さんの独演会・夜の部に行ってきました。



昨年も3月6日、もう1年ですか。
半年ぐらい前かと思っていたのですが…。
一回ぐらい文楽観に来たいなあって思って。。。
時が経つのがほんと早くてびっくりします。

■□■

「狸賽」 立川志の彦(17:00~17:15)

狸汁にされそうなところを救ってくれたお礼にと
サイコロに化けてバクチに勝たそうとする狸とその男のお噺。

志の輔さんの5番目のお弟子さんだそうです。
なにやら東京で家賃29,000円の部屋に住んでいて、カギは南京錠。
外出するときは外、帰宅したら内側にかけるだけ。
部屋に居るときに外から鍵をかけられたら外に出られない家というのが
面白かったです。

って、一昨年、「狸の札」を志の彦さんで聞いていました。
狸が出てきたので、ああ、またお札に化けて…と思ったらサイコロに。
この噺ってバリエーションがあるんですね。


「メルシーひな祭り」 立川志の輔(17:15~18:15)

寂れた商店街にフランスの特使の妻と娘がやって来る。
有名な雛人形を作る職人が居て、その人形が目的。
妻子一行を迎える商店街の会長の床屋の大将だったが…。

桃色のお着物と羽織で、春らしいお衣装でした。

マクラは時事ネタのカンニングの話題。(約15分)
そこから、日本人にはグレーのところがあって、曖昧という素敵な文化があるんです。
外人から「YES or NO?」って聞かれたら、「おあっ!」って答えるんですよ。
というのに大ウケしてしまいました。
ほんとこういうの、大好きです

床屋の大将と外務省の担当のやりとりが最高でした。
雛人形って頭と体(着付け)が分業って知りませんでした。
勉強になりました。


仲入り(15分)

「抜け雀」 立川志の輔(18:30~19:35)

とある宿場町。
一文なしの無精ひげを生やした32、33歳の武家風の男。
誰も宿屋から声がかからない。
やっとかかったと思ったら、みすぼらしい宿。
そこで、1日3升酒を飲んでは寝てを10日繰り返す。
不審に思った宿の女将に宿賃を取るように言われた主人。
武家風の男は実は絵師だと言い、つい立に雀の絵を描いて、去っていく。
「5両持って戻ってくるまでこの絵は売らないように」
朝になると、絵の雀が外に飛び立ち、エサを食べたらまた絵に戻る。
そのことが評判になり、大賑わい。大名までやってきて1千両で譲れという始末。
しかし頑なに絵師との約束を守る主人。
すると、白髪の60代の武家風の老人がやってきて、「この絵はツメが甘い。このままでは雀が落ちてしまう。」と
駕籠と止まり木を描いて去っていく。
大分して絵師は戻ってくるが…。

モスグリーンのお着物に茶色の袴をつけてらっしゃいました。

マクラは1日4箱吸っていた煙草を喉を痛めてから止めて、それから7キロも太ったという話題。
そして腰痛(ヘルニア)になって、西洋医学は会わなかったが、プロデューサー(?)に勧められた
医者に行くと、すぐ治ったという話題でした。

宿屋の女将と主人のやりとりが最高でした。
障子と雨戸を開けて、雀が飛んでいく描写がとても上手くって。
部屋に朝日が差し込んで、古ぼけた布団のホコリとか出てくるんだろうなあっていう。

なかなか絵師が戻ってこないというところで、マーフィーの法則とか言われて
「バス停でなかなかバスが来なくて、新しい煙草に火をつけたとたん3台くらい連続で来たりするでしょ。」
とか、志の輔さんって古典のときは間に、こういうしょーもなぁいお噺が入るんですよね。

ぽんぽんぽんぽんっと噺が進んでいって、約一時間、あっという間でした。

昨年より随分前の席でラッキーでした。
今年はもう一回くらい志の輔さん見たいなあ…。

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