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第3話・ひとみ

2025年01月15日 | 月子のティーハウス(プロローグ・第1話~第5話)

ご訪問ありがとうございます

月子のティーハウス
(moon child's tea house)

第3話 ひ と み

夏の大雨も過ぎ去り
大気の粒子が少しずつ変わり始めていた
風返しの坂の上は、夏が過ぎようとしている

「月子さんですね、お邪魔してもいいですか?」
「はい、いらっしゃいませ」

「私、ひとみです」
「ひとみさん、お近くの方でしょうか?」

「ひとみ川の近くに住んでいました」
月子は頷いた

「私、冷たかったから温かい飲み物がほしいです」
「はい、ただいまご用意いたします」

アッサムとアールグレイの茶葉を月子は取り出した
ティースプーンに一杯ずつポットに入れ
それから熱湯を注いだ

「…ずっと前に、大雨があったの」ひとみは話し始めた
「どなたかが、お怒りになったらしいって」

ミルクパン/鍋に紅茶を移すと、月子はさらに牛乳を加えた
そしてミルクパンを火にかけ、ぐらりとするとマグカップに注いだ

「気が付いたら、私…手を挙げていたの」

「ひとみさん、お待たせいたしました」
メイプルシロップの小瓶と共に、月子は飲み物をお持ちした

「こちらをお飲みになり、温まってください」

「美味しい牛乳、これ何ていう飲み物?」
「ロイヤルミルクティーです」

「この干菓子も美味しい」
「そちらはビスケットです」月子は微笑んだ

飲み終えると、ひとみはホッとした様子だった
「やっぱり来てよかった、月子さんごちそうさまでした」

「ひとみさん、ありがとうございました」

ティーハウスのドアを出ると
雑木林のけもの道へとひとみは帰って行った

ご一読ありがとうございました


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2 コメント

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Unknown (marusan_slate)
2024-03-23 20:37:45
こんばんは🌃
お花、
めちゃくちゃ
上手ですよね(*≧∀≦*)
絵が美しく描ける人は
とってもステキです☺️
今日一日お疲れ様でした☆★☆
テル
返信する
ご訪問ありがとうございます (みょうが)
2024-03-24 19:39:53
テルさま
気に入って頂き、ありがとうございます
少しモダンな感じにしようと思いました
テルさまもお疲れが出ませんようお気をつけください
返信する

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