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第2話・微笑む男の子

2025年01月22日 | 月子のティーハウス(プロローグ・第1話~第5話)

月子のティーハウス
(moon child's tea house)

第2話 微笑む男の子

微笑む男の子は、幼い頃の友人をベースに作成いたしました
従って、ストーリーの中にご不快なキーワードがあるかもしれません
何卒ご容赦のほどお願い申し上げます

ゆったりとした日差しが、テーブルの周りを照らしている
時計は正午近くを指していた

月子がドアを振り返ると、男の子は黙ってティーハウスに入って来た

「いらっしゃい」月子が声をかけると、男の子は微笑んだ
本当は、ずっとずっと前から微笑んでいるようだ

「窓の近くのお席へ行く?」
男の子はうなずき、月子に椅子をひかれるとすぐに座った
(10歳に満たない男の子)月子は思った

服装は白いシャツに半ズボン、靴は運動靴だった
それから瞳は半月のようであった

「ばやりすおれんじ」男の子は言った

デュラレクスのグラスに氷を入れ
月子はバヤリス・オレンジジュースを注いだ
それからストローを入れトレイに乗せて運んだ

「お待たせしました」
男の子はオレンジジュースを飲んだ

「ぼくのなまえはまつざわたかし」
「せんせいはせんてんせいがんけんかすい/先天*眼瞼*垂といってた」

「せんてんせいがんけんかすい?」
月子が繰り返すと、男の子は自分の瞳を指さした

「ようちえんをそつぎょうしてからはべつのがっこうへいった」
「ぼくはずいぶんいじめられた、からだもよわかったからおやすみもした」

「とってもつらかったわね」月子は言った

「ようちえんのとき、となりにすわっていたともだちにおれいがいいたい」
「ありがとうって、そのともだちだけがぼくのとなりにいてくれたから」

「いいお友達だったのね」月子は頷きながら答えた
まつざわたかしくんも頷いた
「ここへくればだいじょうぶっていわれた」
「ええ大丈夫よ、かならず伝えるから」月子は答えた

まつざわたかしくんは、バヤリスオレンジを飲みほした
「ごちそうさま」
入って来た時と同じ様に
微笑みながら、まつざわたかしくんはドアへ向かった
そして小さな炎が消える様に、ふっ…といなくなった

ご一読ありがとうございました


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2 コメント

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Unknown (dreamsan_2006)
2024-02-27 20:41:34
こんばんは☺️
いつもありがとうございます✨

心温まる素敵な文章、いつもほっこり癒されています🤲
これからも楽しみにしています〜
今後も宜しくお願いいたします🙇‍♀️
(chami)
返信する
コメント、ありがとうございます (みょうが)
2024-02-27 23:35:05
chami さま
お忙しい中、ご訪問頂きありがとうございます
私も楽しく拝見しております
季節の変わり目です
ご家族の皆さま、どうぞご自愛ください
返信する

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