俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

『ファルコとの出会い』その13

2008年06月09日 23時01分37秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 いまのスリッピーには酷な話だが、プラズマ冷却弾の性格を考えると、この任務は、まさにこの兵器を使うにうってつけと言うしかない。
 3機のアーウィンが、1発でも冷却弾を命中させることができれば、敵機のスピードは落ちる。そうなればさらに冷却弾を当てることはた易くなる。
 コーネリア軍部にはまるで相手にされなかった自身の発明品が、新生スターフォックスの作戦第一号の要となる。そう考えたときスリッピーの胸はおどった。冷却弾を使うことを提案し、それが受け入れられたとき、かれは有頂天になった。チョーシに乗っていた……のかもしれない。
 きっと相手はすぐに飛べなくなっちゃうよ。楽勝、楽勝! 苦労せずに捕まえられるさ! ……作戦会議中、スリッピー自身が大威張りで、そう断言したのだった。
 だが。今の事態は、そんな想像とはかけ離れた悪い方向へと進もうとしている。『重ねがけ』するはずだった冷却弾は、最初の2発を最後にまるで当てることができない。ぐずぐずしていれば冷却弾の効果は消えてしまう。おまけに、グラビティ・ブレードをもがれたことで自分のアーウィンの機動力は半減し、これではもう、速度の落ちた敵機にも追いつけはしない……

 スリッピーは、じぶんの体が空洞のようになってゆくのを感じた。鍾乳洞のように暗く冷えきった体内で、鍾乳石に結露したしずくが漆黒の水面に落ちるように、言葉が滴りこだました。
 オイラのせい、だよな。
 一度その言葉が体ぜんたいに広がってしまうと、もう、あとからあとからあふれてくる涙をとどめることができなかった。
 もう、ダメだよ。あいつを捕まえることなんかできっこない。それもこれも、オイラが調子に乗って……油断して……アーウィンを壊されるような、役立たずだったからなんだ……。

ご愛読ありがとうございます

2008年06月09日 22時16分07秒 | 日々のつぶやき
 この『俺の翼に乗らないか?』も、やっといただいたコメントが3つになりました・・。コメントがいただけると嬉しいです。ありがとうございます。
 履歴を見れば、来てくれている人がいらっしゃるのはわかるのですが、来ているからって読まれているとは限らないし。読まれたからって面白いと思われたかどうかはわからないしで、どなたかコメントしてくださらないものか……と実のところいつも待っているのです。

 最近は専ら小説もどきを載せているわけですが、そもそも私の妄想を膨らまして書いているものですので、任天堂から許可を得ているわけでもないし、ほかの多くのスターフォックスファンの皆様に気に入っていただけるとも限りません。

 私が書くスタフォは、あくまで私の妄想でしかありません。
 しかして、その妄想の中で、キャラクターたちはみな輝いているのです……その輝きを私なりに表現していこうと思っております。
 思いつきでさぐりさぐり書いているので、書くのは遅いですし展開に矛盾が生じることもあるかもしれません。(実際、スリッピーのアーウィンの翼がもぎとられる場面で、グラビティ・ブレードが2本、と書いていましたが正しくは1本でした……。2本あるのはウルフェンですね。もう直しましたが)

 あまり過度な期待はなさらずに、たまに覗いて楽しんでくだされば幸いです。
 そしてもしよろしければ、なんかコメントしてくださいませ……。