考察というか、単に深読みしすぎているだけかもしれないが。
アパロイド化しつつも生きているピグマ。
そして生きているのか死んでいるのか、アパロイドに侵食されたのかされていないのかよくわからないジェームズ。
これらのご都合主義的な現象のかずかずを、なんとか理屈が通るように説明してみよう。
まず、例えばアリは、巣のなかのすべての個体が、ひとつの意志を共有するような生態を持っている。アパロイドもこれと同じようなものではないか。フォックスが『結局やつは巨大な<一人>だった……』と言ったように、アパロイドのなかで自分の意志といえるものを持っているのはマザーだけであり、そのほかのアパロイドはみなマザーの意志に従って動く手足に過ぎないのではないか。
(もしもアパロイドの個体ひとつひとつが自由意志を持っているのなら、アパロイド同士で喧嘩したり、ナワバリ争いしたり、共食いしたりするはずだが、そんな様子は見られない。あくまで女王に従う忠実な軍隊に見える)
マザーが配下のアパロイドにどうやって指令を出しているのかは不明だが、おそらくゲートを通じて特殊な電波を送りリモートコントロールしていると思われる。
さて。ここで、何らかの原因でマザーと通信できなくなったアパロイドがいると仮定してみよう。
前提として、アパロイドを新たに生み出せるのは、女王たるマザーだけであるとする。ほかのアパロイドはただの兵隊で、侵食・同化はできても新しい個体を産むことはできない。
星を制圧するために戦っているアパロイドがピンチに陥ると、マザーと通信して助けを求める。(カタリナ基地のファクトリーが破壊されたあとに送り込まれた巨大アパロイドや、ゲート周辺の小型・中型ミサイルが破壊されたあとに送り込まれた大型アパロイドを思い出そう)
しかし、マザーと通信できなくなった場合、ピンチに陥っても助けは来ない。
助けが来ない以上、たった一人で戦うのは無謀だ。ゆえに、本来なら激しく侵食・同化して他の生物を取り込むはずのアパロイドは、それをせずに眠りにつく。来るべきチャンスを、じっと待ちながら。
ピグマを侵食したアパロイドは、フォックス達に倒されたあと、増殖をくりかえしピグマの意識を再生したと思われる。(一度侵食して読み取ったものの記憶や意識はデータとして保存され、再構築できるのではないか)
だがその時すでに、マザーは滅ぼされていた。ピグマに取り付いたアパロイドは、マザーから切り離され『はぐれアパロイド』とでも言うべき状態になったわけだ。
はぐれアパロイドの状態で、いくら頑張って侵食をしても徒労に終わることは見えている。マザーからの増援が来ないことは分かっているので、戦ったとしても自分が破壊されて終わりだ。
ゆえに。はぐれアパロイドは、アパロイドとして生きることを放棄する。もともと女王の意志に操られていただけの存在なので、女王がいなくなればもう意識は残っていない。自然、宿主であるピグマの意識が復活することになる。
こうして、アパロイドマザーの配下ではない全く新しい種が……『アパロイドピグマ』とでもいうべき新たな種族が誕生したことになる。
ジェームズの場合にも、同じことが起こったのではないか。
17年前、初めて現れたアパロイドとの交戦中、ジェームズは侵食を受ける。
だがその直後、そのアパロイドは倒され、ジェームズの体内に残ったアパロイド組織はマザーとの連絡手段を断たれ『はぐれアパロイド』となる。
ジェームズの体内で、アパロイドは眠りにつくことにした。やがて増殖すべきときが来るのを信じて。ちょうど、みずぼうそうのウイルスが、治癒した後も体内に潜伏し、やがて宿主が弱ると帯状疱疹をおこすように。
数年後、ペパー将軍の依頼を受け、ジェームズは第一期スターフォックスとしてベノムを訪れる。そこでピグマの裏切りにより、ジェームズは最後を遂げる……
だがその時。ジェームズの体内で眠っていたアパロイドが、宿主の危機を察知して眠りから目覚める。アパロイドは朽ち果てたジェームズの体、意識、記憶を再生した。
……その一部始終を見届けた男がいた。まだ皇帝を名乗る前のアンドルフ。
ジェームズの再生を目の当たりにしてかれは驚愕した。そして同時に、自分の野望がさらなる高みに昇って行くのを感じた。
最高の頭脳を持ちながら、自分はすでに年老いている。ベノムの浄化、惑星改造、コーネリア制圧、移民計画。やるべきことはまだまだあるというのに、己に残された時間は少なく、あとを任せられる後継者も見つかっていない。だが、この力を使えばどうだ? 自分は不死を手にすることができるかもしれない。そして末永く――もしかしたら永遠に――この星を見守り続けられるかもしれないのだ。
自分の研究所の最も奥深くに、アンドルフはジェームズを監禁する。その体に眠る秘密をすべて解き明かすまで、決して逃げられないように……。
さらに数年後。
自らを生体改造したアンドルフは、ジェームズの息子と相対していた。無限に思えた野望は、目の前の小さな生物のせいで潰えようとしている。
逃しはしない! この星を渡しはしない!
激情にかられてかれは地下研究所を爆破する。その最深部に自分が厳重に閉じ込めた男のことも忘れて。
半アパロイド化した体を揺り動かして、ジェームズは愛機に跳び乗る。
再び息子にめぐり会えたことに奇妙な因縁を感じながら。
………………。
これが『64』ラストの真相だったんだぜ、と言ったらあなたは信じるか!?
なかなかユメのある話になった。
アパロイド化したジェームズは、いつもフォックスたちのことを気にかけていて、通信を傍受しているに違いないよ。『コマンド』でベノムに現れたのも、フォックスを助けるためさ!! たぶん。
アパロイド化しつつも生きているピグマ。
そして生きているのか死んでいるのか、アパロイドに侵食されたのかされていないのかよくわからないジェームズ。
これらのご都合主義的な現象のかずかずを、なんとか理屈が通るように説明してみよう。
まず、例えばアリは、巣のなかのすべての個体が、ひとつの意志を共有するような生態を持っている。アパロイドもこれと同じようなものではないか。フォックスが『結局やつは巨大な<一人>だった……』と言ったように、アパロイドのなかで自分の意志といえるものを持っているのはマザーだけであり、そのほかのアパロイドはみなマザーの意志に従って動く手足に過ぎないのではないか。
(もしもアパロイドの個体ひとつひとつが自由意志を持っているのなら、アパロイド同士で喧嘩したり、ナワバリ争いしたり、共食いしたりするはずだが、そんな様子は見られない。あくまで女王に従う忠実な軍隊に見える)
マザーが配下のアパロイドにどうやって指令を出しているのかは不明だが、おそらくゲートを通じて特殊な電波を送りリモートコントロールしていると思われる。
さて。ここで、何らかの原因でマザーと通信できなくなったアパロイドがいると仮定してみよう。
前提として、アパロイドを新たに生み出せるのは、女王たるマザーだけであるとする。ほかのアパロイドはただの兵隊で、侵食・同化はできても新しい個体を産むことはできない。
星を制圧するために戦っているアパロイドがピンチに陥ると、マザーと通信して助けを求める。(カタリナ基地のファクトリーが破壊されたあとに送り込まれた巨大アパロイドや、ゲート周辺の小型・中型ミサイルが破壊されたあとに送り込まれた大型アパロイドを思い出そう)
しかし、マザーと通信できなくなった場合、ピンチに陥っても助けは来ない。
助けが来ない以上、たった一人で戦うのは無謀だ。ゆえに、本来なら激しく侵食・同化して他の生物を取り込むはずのアパロイドは、それをせずに眠りにつく。来るべきチャンスを、じっと待ちながら。
ピグマを侵食したアパロイドは、フォックス達に倒されたあと、増殖をくりかえしピグマの意識を再生したと思われる。(一度侵食して読み取ったものの記憶や意識はデータとして保存され、再構築できるのではないか)
だがその時すでに、マザーは滅ぼされていた。ピグマに取り付いたアパロイドは、マザーから切り離され『はぐれアパロイド』とでも言うべき状態になったわけだ。
はぐれアパロイドの状態で、いくら頑張って侵食をしても徒労に終わることは見えている。マザーからの増援が来ないことは分かっているので、戦ったとしても自分が破壊されて終わりだ。
ゆえに。はぐれアパロイドは、アパロイドとして生きることを放棄する。もともと女王の意志に操られていただけの存在なので、女王がいなくなればもう意識は残っていない。自然、宿主であるピグマの意識が復活することになる。
こうして、アパロイドマザーの配下ではない全く新しい種が……『アパロイドピグマ』とでもいうべき新たな種族が誕生したことになる。
ジェームズの場合にも、同じことが起こったのではないか。
17年前、初めて現れたアパロイドとの交戦中、ジェームズは侵食を受ける。
だがその直後、そのアパロイドは倒され、ジェームズの体内に残ったアパロイド組織はマザーとの連絡手段を断たれ『はぐれアパロイド』となる。
ジェームズの体内で、アパロイドは眠りにつくことにした。やがて増殖すべきときが来るのを信じて。ちょうど、みずぼうそうのウイルスが、治癒した後も体内に潜伏し、やがて宿主が弱ると帯状疱疹をおこすように。
数年後、ペパー将軍の依頼を受け、ジェームズは第一期スターフォックスとしてベノムを訪れる。そこでピグマの裏切りにより、ジェームズは最後を遂げる……
だがその時。ジェームズの体内で眠っていたアパロイドが、宿主の危機を察知して眠りから目覚める。アパロイドは朽ち果てたジェームズの体、意識、記憶を再生した。
……その一部始終を見届けた男がいた。まだ皇帝を名乗る前のアンドルフ。
ジェームズの再生を目の当たりにしてかれは驚愕した。そして同時に、自分の野望がさらなる高みに昇って行くのを感じた。
最高の頭脳を持ちながら、自分はすでに年老いている。ベノムの浄化、惑星改造、コーネリア制圧、移民計画。やるべきことはまだまだあるというのに、己に残された時間は少なく、あとを任せられる後継者も見つかっていない。だが、この力を使えばどうだ? 自分は不死を手にすることができるかもしれない。そして末永く――もしかしたら永遠に――この星を見守り続けられるかもしれないのだ。
自分の研究所の最も奥深くに、アンドルフはジェームズを監禁する。その体に眠る秘密をすべて解き明かすまで、決して逃げられないように……。
さらに数年後。
自らを生体改造したアンドルフは、ジェームズの息子と相対していた。無限に思えた野望は、目の前の小さな生物のせいで潰えようとしている。
逃しはしない! この星を渡しはしない!
激情にかられてかれは地下研究所を爆破する。その最深部に自分が厳重に閉じ込めた男のことも忘れて。
半アパロイド化した体を揺り動かして、ジェームズは愛機に跳び乗る。
再び息子にめぐり会えたことに奇妙な因縁を感じながら。
………………。
これが『64』ラストの真相だったんだぜ、と言ったらあなたは信じるか!?
なかなかユメのある話になった。
アパロイド化したジェームズは、いつもフォックスたちのことを気にかけていて、通信を傍受しているに違いないよ。『コマンド』でベノムに現れたのも、フォックスを助けるためさ!! たぶん。