俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その62

2011年09月04日 11時34分08秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 モニタには通信元の機体ナンバーが浮かんでいる。ファルコ機のものだ。
 フォックスは手を伸ばし、通信回線をつなぐスイッチを入れた。
「……、よお」
 初めて聞く声。
「ファルコ・ランバルディだな?」
「ああ、そうだとも。そっちは」
「遊撃隊・スターフォックスだ。ファルコ。これから一体、どうするつもりだ?」
「どうっ、て」
 いざ言おうとすると、ファルコはうろたえた。それは意地でも口に出さずにきた一言だった。自分の意地とプライド、生き方のすべてを守るために。
 心にナイフで切りこまれたような痛みを感じる。だがそれでも言わねばならない。言わなければ前に進めない。
「スターフォックス。オレの負けだ。どうとでも、好きにしろ」

 安堵のため息を、フォックスは吐き出しそうになった。しかし慌ててこらえると、もう一度マイクに向かい話す。
「その言葉。信用していいんだろうな」
 レーダーで敵機の位置を確認する。ファルコ機は低空をゆっくりと直進している。逃げるつもりではなさそうだ。
「信用できなければどうする。オレを撃ち落とすか?」
「……いいや。俺たちの母艦が、海面にフロートを下ろす。そこに降りてくれ」
「わかった」
「ナウス、聞こえたよな? 着水用フロートの設置をたのむ」
「オ任セクダサイ」
 ファルコが本当に投降するつもりなら、陸地に降りたほうが話は早い。しかし沿岸に近づいた途端、身をくらます可能性も捨てきれない。まだ完全に信用したわけではない。フォックスは自分に言い聞かせた。
「……」
 みな無言だった。なぜ急に敗北を認めたのか? 気になりながらも、気安く触れられない何かを感じる。
「オイ。どうした。何とか言えよ」
 ぶっきらぼうなセリフが沈黙を破る。
「ああ。すまない」
 謝ってどうする、と自分の言葉に苦笑する。
「教えてほしいことがある」
「何だ?」
「お前らの名前さ」
 そう言えば、まだ名乗っていなかった。
「俺はフォックス。フォックス・マクラウド。この遊撃隊のリーダーだ」

 理知と情熱、その両方を感じさせる青年の声。
「フォックス、か」
「ワシはペッピー・ヘア」
 どことなく時代がかった、精悍そうな声。
「スリッピー・トードだよ~!」
 いきなりひょうきんな声が聞こえ、ファルコはずっ転けそうになった。